「なんだか最近、大きなものと闘う役が多くて。そういうものの締めくくりのような心持ちですね。デビュー10周年という1つの区切りの年でもありますし」と話す菅田将暉さん。
間違いなく今、最も輝いている俳優の1人だ。主演を務めた2019年1月期の連続ドラマ『3年A組─今から皆さんは、人質です─』は話題を集め、7月には、数学で戦争を止めようとした男を演じた映画『アルキメデスの大戦』が公開に。
抜群の感性と凄まじいまでの演技力で、観る者を次々と魅了している。
そんな彼が節目の年に挑む次の作品が、舞台『カリギュラ』。
アルベール・カミュがローマの皇帝を題材に書いた不条理をテーマとする作品だ。
菅田さんが演じるのは、愛する者の死を境に暴君と化した皇帝カリギュラ。美しさと狂気とカリスマ性が必要とされる役で、2007年には蜷川幸雄氏の演出で上演されている。
「正直、最初は乗り気じゃなかったんです。誰かが既にやったものを僕がやっても......と思って。でも、信頼しているある人に“菅田くんのカリギュラが観たい”といわれて、それならやってみようという気持ちに変わりました。
型にはまらず、初めてご一緒する演出家の栗山民也さんや先輩がたと稽古を重ねながら、自分なりの道を探していけたら」