モナコ公国 華麗なる舞踏会へ 第2回(全6回) あらゆるラグジュアリーが凝縮したモナコ。7月最後の週末の夜にはその煌めきが最高潮に達します。ロングドレスで着飾った淑女がブラックタイの紳士にエスコートされて集う「モナコ赤十字舞踏会」。71年の伝統を持つ夢の舞台へとご案内します。
前回の記事はこちら>> ラグジュアリーを極めたモナコの舞踏会では、どのような装いが求められるのでしょうか。長年モナコに暮らし、社交界での振舞いを知り尽くした女性、レディ モニカ・バカルディさんの特別なはからいにより舞踏会当日の身支度から会場へ到着するまでの一部始終を拝見させていただきました。
レディ モニカ・バカルディさん世界的な洋酒ブランド「バカルディ」創設者一族のマダム。学生時代から親しんできたモナコに拠点を置き、ロサンゼルス、ロンドン、サントロペなど世界各地を行き来する真のジェットセッター。芸術にも造詣が深く、近年は映画プロデューサーとしてジョニー・デップ、キアヌ・リーブスなど大物スターを起用した作品を手がけている。「私が愛する公国のシンボルである舞踏会。そのプレスティージにふさわしい最高の装いを心がけます」―レディ モニカ・バカルディさん
「公国はチャリティの国です。小さな国ですが、人類に対して多大な貢献をしているアルベール大公夫妻に、私は大きな尊敬の念を抱いています。
大公が率いる赤十字社はその最たるもので、赤十字舞踏会はモナコのシンボルだと思っています。舞踏会によって寄付が集まり、それを困難な状況にある人々に役立ててもらうのはとてもノーブルな行為。私は舞踏会に毎年参加することにとても誇りを持っています」。
レディ モニカ・バカルディさんの言葉には、モナコに寄せる愛情とチャリティの意義がよく表れています。
「チャリティは生きるうえで欠かせない恩返し」とも語る彼女にとって、美しく装うこともまた善行の一つ。舞踏会の女性のドレスコードはロングドレスですが、色やデザイン、デコルテの開き具合などはそれぞれのパーソナリティに合ったものを、というのがレディからのアドバイスです。
「それぞれ違っていていい。今宵は一人一人、皆が妖精なのですからね」。
レディがメンバーになっているハイクラスの会員制クラブ「モナコ ヨットクラブ」スイートルームのテラスにて。船のマストを鳴らす潮風に「グッチ」のドレスの裾をなびかせて。