スポルティング・モンテカルロ「サル・デ・ゼトワール」
料理長
リシャール・リュビニさん
モナコのリゾート運営会社「モンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・ド・メール」の高級レストランで培った腕前を、大人数のディナーの場でもいかんなく発揮。「周到な準備を重ねて、850人分の星つきレベルの味を目指します」
ホールの地下にはおよそ300平方メートルほどの厨房があり、ここから850人分の4コースメニュー3400皿が運ばれます。
陣頭指揮を執るのはリシャール・リュビニシェフ。モナコに生まれ、18歳からアラン・デュカスのもとで経験を積み、2年前に「スポルティング・モンテカルロ」の料理長に就任しました。
舞踏会のメニュー作りはほぼ1年がかり。新しい食材や調理法にトライしながらプランを練り上げてアルベール大公に提案。そのお墨付きをもらったものが舞踏会のテーブルに上ります。
フランス語と英語が併記された4コースのメニュー。このほか、ベジタリアン向けのメニューも用意されている。「シンプルでありながら繊細な味の料理を心がけています。地元の食材のよさを生かすのも大事」とシェフ。本番の3日前から順次届く食材を下処理し、あらかじめ準備ができるもの、直前に火入れするものと段取りを整えます。料理人の数は22人と少数精鋭。無駄のない動線などにも頭を使います。
それぞれの料理カテゴリーの責任者が一皿一皿最終チェックをした後、初めてゲストのテーブルへ。「今夜は世界中の人々がここに料理を食べに来るような気持ち。プレッシャーは確かにありますが、それを味方につけて最高のものを提供したいと思います」。
【前菜】ホウボウのクリーム仕立て キャビアとサフランの花添え
生クリーム、オリーブオイル、ホウボウを使ったひと皿。ズッキーニを敷き詰め、近郊で獲れた魚のジュレとともに。【魚料理】マトウダイとアーティチョークのファルシ リビエラ風
高級魚と野菜のハーモニーが美しい一品。ファルシには小海老、いかを使い、野菜の煮汁をベースにしたソースで仕上げてある。【肉料理】アンガス牛のリブステーキ トマトコンフィ、トリュフ添え
最高級の肉のうまみを焼き汁のソースともども堪能。バジルを使ったカネロニやパルメザンチーズなど地中海の香りも隠し味に。【デザート】ルーシヨンのアプリコット
オーガニックミルクチョコレートケーキ南仏産のアプリコットをババロア状にふんわりと仕上げたチョコレートムースで包み込んで。てらいのない王道の美味しさ。