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更年期世代の女性の骨粗しょう症の予防と治療に取り組む専門外来

2019.09.27

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知っておきたい! 頼りになる専門外来 治療を続けているのによくならない、今の治療効果に満足していない――。このような悩みを抱える人は少なくありません。こんなときに頼りになるのが「専門外来」です。一般外来ではなかなか受けられない個別性の高い治療が期待できます。今回は「骨粗しょう症外来」についてです。記事一覧はこちら>>

「卵巣機能低下」の観点から骨粗しょう症の予防と治療に取り組み、個々のリスクに応じた骨量維持・回復をサポート


現在平均寿命がおよそ87歳の日本人女性は世界第2位の長寿を誇りますが、元気で過ごせる健康寿命は74歳で13年も短くなります。この背景には寝たきりのリスクを高める「骨粗しょう症」が潜んでおり、健康寿命を延ばすには、この病気への対策が必要です。今回は卵巣機能低下の観点から更年期世代の女性の骨粗しょう症の予防と治療に取り組む専門外来をご紹介します。

平池 修(ひらいけ・おさむ)先生

東京大学医学部附属病院骨粗鬆症センター

女性診療科・産科 准教授
平池 修(ひらいけ・おさむ)先生

1995年東京大学医学部卒業。同年、東京大学医学部附属病院産科婦人科入局後、2005~07年スウェーデン王国カロリンスカ研究所招聘研究員を経て、12年同大学講師、15年より現職。内視鏡手術、生殖医療のほか、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医として、卵巣機能低下に由来する女性の骨粗しょう症診療も専門とする。18年6月の骨粗鬆症センター設立を機に、診療科横断的な骨粗しょう症診療に取り組んでいる。

骨粗しょう症とは?


骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる状態、または骨折している状態のことをいう。

骨も、ほかの細胞と同じように新陳代謝を繰り返し、古い骨を壊して新しい骨をつくり続けている。

ところが、女性の場合、閉経すると骨量を維持するために働く女性ホルモン(エストロゲン)の量が不足し、骨を壊す(骨吸収)スピードが骨をつくる(骨形成)スピードよりも上回ってしまう。

そのため、骨量が急激に減ってきて年をとればとるほど骨粗しょう症にかかりやすくなる。

また、この病気になると、転倒骨折から寝たきりになるリスクが極めて高くなり女性の健康寿命に影響するため、看過できない疾患となっている。

患者数は?


日本における骨粗しょう症の患者は高齢化とともに増加しており、その数は1300万人と推定され、予備軍を含めると2000万人に達するともいわれる。

患者全体の8割を女性が占め、50歳以上の女性の4人に1人は骨粗しょう症にかかっているというデータもある。

骨粗しょう症外来とは?


骨量が減っても痛みなどの自覚症状がない骨粗しょう症を早期に発見するために骨密度検査などを行い、骨量リスクに応じて生活指導や薬物療法を実施し、骨量の回復を目指す。

専門外来を担当するのは主に整形外科。産婦人科や内分泌代謝科など関連科と連携しながら診療を行うこともあるが、センター化で取り組む医療機関は少ない。

こんな悩みは専門外来へ!


●人間ドックで骨量が少ないと指摘された
●閉経が早かったが、骨量を測定したことがない
●ささいなことで骨折し、骨量低下が気になっている など
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