フィギュアスケート

フレンズ オン アイス2019がロック会場に!髙橋大輔選手、宇野昌磨選手が新作を初公開

2019.09.10

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【連載】フィギュアスケート愛(eye)

フィギュアスケート愛(eye) 本誌『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。バックナンバーを見る>>>
スケートリンクで踊る髙橋大輔選手

髙橋選手が復帰2シーズン目のSPに選んだのは、「The Phoenix」。黒のタンクトップ、タイトな黒のパンツに体を包んだ髙橋選手が、踊りまくり滑りまくる超アップテンポなナンバーに、会場のボルテージは上がりまくり。髙橋選手に鋭い眼差しで見つめられ、何人かの方が倒れる音がしました(した気がしました)。8月初旬に作ったということは、まだひと月経っておらず。これを滑り込んで体に入り込ませ、FS「Pale Green Ghosts」と揃えてきた日には、どの次元まで到達してしまうのでしょう。

銀盤にロックスター・髙橋大輔選手、参上!宇野選手の新プログラム、珠玉のコラボナンバーと見どころ満載


2019年8月30日(金)〜9月1日(日)、新横浜にて開演されたフレンズ オン アイス2019。


毎年、夏の終わりと秋の訪れを伝えてくれるフレンズ オン アイスですが、今年の会場はいつにも増してヒートアップしていました。それもそのはず。ハイスキルのスケーターたちが織りなす一期一会の成熟したコラボレーションナンバーに加え、髙橋大輔選手と宇野昌磨選手が今季の新しいショートプログラム(SP)を初披露したのですが、これがこちらの予想を超える出色のプログラム(超えてくるだろうと予想していた通りともいえますが)。

29日の公開リハーサル後、記者会見のため、再び氷上に現れた荒川静香さん、髙橋大輔選手、宇野昌磨選手。今回のフレンズ オン アイスのコンセプトや、新プログラムへの想いなどを三者三様、それぞれの魅力溢れる言葉で語ってくれました。お人柄も伝わってくる会見の模様を抜粋してお届けします。

――明日から本公演が始まりますが、荒川さんから今年のフレンズ オン アイスについてお願いします。


荒川静香さん(以下A):今年はコラボレーションナンバーが非常にカラフルに仕上がっているかなというのが、通して見た感想のひとつでした。大ちゃんや昌磨くんが滑った今シーズンの新しいショートプログラム(SP)から、今の選手たちの輝きが非常に凝縮されたプログラム、そして熟練されたプロのスケーターたちのプログラムといろいろな個性が見られたと思います。

最後は、来年、日本でオリンピックが行われるということで、ウインタースポーツの私たちが氷の上で夏の競技をイメージしたフィナーレを、皆さんと一緒に盛り上がって応援していきたいなという気持ちを込めて作りました。

フレンズ オン アイスが終わると、何となく夏が終わるかなぁというような気持ちになるのですけれど、夏の最後の暑さをここに注いで、みなで盛り上がっていけたらと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。



山田満知子先生、樋口美穂子先生の元を巣立ち、今季、コーチをつけずに1人で戦う道を選んだ宇野選手。SPは「自分がまだやってこなかったスケートを見つけたい」との理由で、「Great Spirit」を競技プログラムにアレンジ。SPで、宇野選手がここまでアップテンポに挑戦するのは初めてのこと。不安ももちろんあるはずですが、未知の冒険を本人が楽しんでいるふうにも見受けられます。そのメンタルの構成要素は鋼でしょうか!?(笑) 宇野昌磨という漢、やはり只者ではありません。

――髙橋選手と宇野選手には、ご自身のプログラムについて見どころを。


髙橋大輔選手(以下T):見どころ(笑)……そうですね、今日に関しては気合を入れすぎて逆にグダグダになってしまった感じなんですけれど、本当にこれはスタートしてから最後まで久しぶりに動きっぱなしのプログラムで。何年ぶりかなというくらい激しい曲をやっているので、全体通して、33歳のオッサンが頑張ってるなと見てもらえればいいかなと思います(苦笑)。

今回はスケーターの振付師ではなくて、ダンスの方に振りをつけていただいて、作った時は本当に難しいところではあったんですけれども、自分としても、見てくださる方にも新鮮なプログラムになっているんじゃないでしょうか。そういった部分にも注目してもらえたらと思っております。

宇野昌磨選手(以下U):僕が今回、フレンズ オン アイスで滑らせていただくのは、去年もアイスショーでよく使っていたプログラムなんですけれども、今年はそれをSPにしようということになったので、試合用にステップも入れてつい先日作り直しました。

だいぶ余裕ができていたプログラムがより凝縮されて、体力的にとても辛いところはあるのですけれど、僕にとっては初めてスタートから最後まで動きっぱなしのプログラムになっています。これがシーズン終わりには簡単にできるように、ちゃんと滑り込んでいきたいなと思っています。

――髙橋選手と宇野選手にプログラムについてお伺いします。


髙橋選手が途中で「やばい!」と言ってるようにも見えたんですけれど、どこがどれくらいやばいのか、どう大変なのかを教えていただきたいのと、ダンサーの振り付けゆえの特徴をお聞かせください。


宇野選手には、エキシビションナンバーをSPにしたことで、特にどういうところが変わったか教えてください。


T:この振りのパートは結構、陸で作っていたのですが、それを氷に持ってきたことで、陸のテンションで氷の上でやってしまうとバランスを取るのが難しいんです。最初のスタートのポーズもそうなんですが、なかなか踏ん張りが利かなくて。

陸と氷のイメージが全く合わなくて、思うように動けなかったのがやばいな、と。氷の上でのパフォーマンスは陸でやる3分の1くらいしかできないんですよね。踏ん張りが利かない分、激しく上半身を使いにくいのでそこの調整がすごく難しいなというのがあります。

本当はもうちょっと激しくやりたいんですけれど(苦笑)、それはもう少ししてから。8月の頭に作ったばかりでまだ体に入れ込めていないので、これからどんどん楽になっていくんだと思います。

ダンスに関しては、陸の上で振り付けするとカウントの音取りもすごく速かったりするんですけれど、その速さをスケートで表現することが難しいので、そこの速さをなくすためにはステップを減らさなきゃいけなかったり、トランジッションは捨てて表現の方を取るかなとか、そこはいろいろ悩んで。スケートは楕円形のスケートリンクで演技しますが、ダンスは真っ直ぐ、ストレートの表現だったり、そういった折り合いが一番難しかったかなと……。(こんな感じで)大丈夫ですか?

U:はい……え〜、質問を忘れてしまったんですけれど(笑)、もう一度お願いします。

(確認して)まず、アイスショー用に作っていたので、ジャンプもかなり難易度が低くて、その分、表現に力を入れやすかった。それで1年間やってきたからこそ、試合用のプログラムにして、以前よりジャンプが難しくなったからといって、アイスショーでやっていたときより、ペースを絶対落としたくありません。

皆さんがアイスショー用のプログラムをすでに見ているからこそ、そのプログラムに自分は負けたくないと思っているので、どれだけ難しいジャンプが入っても、「やっぱり試合でやるのは難しいね」と言われないようにしていきたいなと思っています。



フィギュアスケート界には、何人もの至宝とも呼ぶべきレジェンドがいますが、シェイ=リーン・ボーンさんは間違いなく、そのうちのお一人だと思います。今回もまた「Weapon of Choice」で、フィギュアスケートが持つ表現の美、芸術性を独創的に見せてくれました。しかも、ともに滑るお三方が、ステファン・ランビエルさん、イリヤ・クーリックさん、ジェレミー・アボットさんという、これまたレジェンドスケーターの皆さん。こんな贅沢で麗しいナンバーに出逢えるのが、アイスショーの醍醐味ですね。

――宇野選手と髙橋選手に質問です。


2人ともかなりアグレッシブな曲を今年選んでいると思うのですが、本来、点数を狙いに行くにはちょっと難しい曲を選んだ印象もあります。どんなジャンプを入れるかということと、表現の面でどうすればフィギュアスケートの試合の曲として点数を狙えるのか、そのあたりをお聞かせください。


U:ジャンプは昨年と同じ、4回転フリップ、4回転トウループ-3回転トウループ、トリプルアクセルという予定なんですけれど、おっしゃる通り、このプログラムが激しいからといってその分、点数が取れるとは僕も考えていないです。でも僕が、点数にならない部分でもそこをやりたいと強く思ったんですよね。

正直、試合ですし競技なので、点数を求めなければいけないところはあるんですけれど、今年は僕は点数よりも、自分がまだやって来なかったスケートというのを見つけたいということで、こういうプログラムにしました。

T:僕は、ジャンプは4回転に挑戦しようかと思ったんですけれど、この「The Phoenix」に決まり、アップテンポのプログラムになったことでさすがに4回転は厳しいので、先シーズンと変わらない構成でいきたいなと思っています。

僕自身、現役を引退してから、アップテンポの曲をやって来なくて、去年現役に復帰し、体も作り上げてきた中で、そろそろ(アップテンポの曲を)やってみたいという気持ちからこの楽曲になりました。

先ほどとかぶるかもしれませんが、上半身使ってのステップがあまり入っていないとは思うんですよ。ただ、そこよりもコンポーネンツ(演技構成点)の見せる(魅せる)ところで少しでも点数を稼げるように、逆にスケートっぽくない表現をどんどん狙っていって、そこがもし評価してもらえれば嬉しいなと思いますし、されなかったら、僕自身のパフォーマンス力の力不足ということで。

昌磨とかぶるかもしれないですけれど、今回は点数というより、SPに関しては見せることを重視して、フリースケーティング(FS)で頑張って点数を稼ぐという気持ちの切り替えで、今シーズンは頑張っていこうかなと、今、思っています。
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