箔の美しさと絵柄の情緒が際立つ壁紙。道後温泉「道後御湯」の客室に採用されたもの。壁紙、パネルなども和紙の色、箔の色、柄を選んでオーダー可能。キーマンは、パリ在住の壁紙デザイナー、ガボー・ウルヴィツキ氏。ギルディングによる壁紙を製作しており、2007年にはフランス国家遺産企業の認定を受けた人物です。
齋藤さんはパリに渡り、技術を指南してほしいと直談判。その熱い想いに動かされ、一家で内子町に移住したガボー氏は、2年の歳月をかけて大洲和紙を使った商品開発・技術指導を行いました。
「フランスのギルディング技術を日本の和紙に施すということで、糊の配合など細かな作業に試行錯誤を重ねました。そして誕生したのが、五十崎にしかない『ギルディング和紙』です。今ではカードケースなどステーショナリーから、パネル、壁紙などの内装材まで幅広く展開しています」。
「カードケース」(幅11×高さ7×厚さ1.5センチ)各2500円。「ポストカード」各350円。カードケース、ポストカードともに随時新柄が登場。図柄は常時20~40種類ほどあり、5色の箔の中からオーダーすることが可能。特注で色和紙も選べる。ギルディング和紙は注目を集め、「少しずつ若い職人も増えてきました。ぎりぎり世代交代が間に合ったかなというところです」。日本とフランスの伝統工芸技術が、大洲和紙の新しい未来をきり開きました。
体験教室も実施。2名から受け付けで要予約。参加費1500円(材料費込み)。申し込みは、五十崎社中(いかざきしゃちゅう)ホームページ内の問い合わせフォームから。 表示価格はすべて税抜きです。
『家庭画報』2019年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。