150年以上の歴史を誇るホテルがリニューアルし、今、新たな伝説が始まる
海を見下ろす「ダイヤモンド・スイート」。全209室のうち9割の部屋にバルコニーかテラスがついている。以前のこのホテルを知る人が改装後に訪れてまず驚かされるのは、圧倒的な開放感ではないでしょうか。
壮麗なロビーの構造は残しつつ、円柱の色を白と金に塗り替えたことで、明るく視界が開けたような印象になりました。
それにも増して大きな変化が、このロビーから、新たに設けられたパティオ(中庭)に抜けられるようになったこと。
まるで上品で開放感のある都市空間が、伝統あるクラシックホテルの中に抱かれたようです。この大胆なマッチングによって人の動きも活性化したような印象です。
ロビー直結の新しいパティオ。お洒落な街角を思わせるフラワースタンドやアイスクリームスタンドがあり、カフェのテラスでお茶を飲む気分でくつろげるほか、新しくできたショッピングエリアにも通じている。加えて、ロトンド(半円筒形の棟)の8階にあるミシュラン一つ星レストラン「ル・グリル」は天気のよい日には窓や天井が開かれ、潮風を受けながら、あるいは星空の下、モナコの空気を感じながらガストロノミーが楽しめるという趣向。
現代人が求める贅沢が鮮やかに形になっています。
天空のレストラン「ル・グリル」。モンテカルロ地区のシンボル、カジノとオペラ座の屋根と同じ高みで一つ星の美食が満喫できる。