能・狂言、伝統的表現を取り入れて「日本のオペラ」に
能の人間国宝・梅若実玄祥さんが特別演出をされています。
「『紅天女』は梅若先生に新作能として形にしていただいています。2006年の初演から10数年、毎年上演される人気演目となりました。
『オペラ 紅天女』に挑戦するにあたって、「日本のオペラ」にしたいという気持ちが強くありました。梅若先生に演出いただき、能・狂言の力をお借りします。
オペラは、歌っている間の動きが少ないんです。『紅天女』として歌い、歩くときの所作に、能の動きを取り入れた演出をお願いしています。精霊の世界を表現することは能の世界に通じますので、自然な形で重厚感が生まれると思います。
舞台の幕開けに、南北朝時代の荒れた世相の説明を入れているのですが、語りを狂言師の方にお願いしています。天狗の面をつけて、狂言の衣裳で。その他石笛や二十五絃箏の音色も加わり、和の世界を堪能いただけると思います。
総監督の郡愛子さん、作曲の寺嶋民哉さんとは古くからのご縁で繋がっています。指揮の園田隆一郎さん、演出の馬場紀雄さんなど、『紅天女』を深く理解している製作陣に恵まれ、最高の環境で最高のものを創れることに感謝しています。
特に注目してほしい演出があります。阿古夜から紅天女に変身するシーン、主役が舞台上で着替えをします。どんな演出になるのか、劇場に足を運んで確かめてください(笑)」
『紅天女』には、3・11を予言するようなセリフがあります。
「連載中は現実になるなど予想もしなかったのですが、天変地異に触れる言葉を書きました。殊に『新作能 紅天女』は、2011年以降上演することにためらいがありましたが、『今だからこそやったほうがいい』という声に押されました。『自然と人間』は、大きなテーマです。舞台が『見えない世界』を考える機会になりましたら、幸いに思います」
お待たせしている『ガラスの仮面』50巻ですが、2020年に刊行できるよう頑張っています(笑)。 美内すずえ/Suzue Miuchi
漫画家
1951年大阪府出身。16歳のとき『山の月と子だぬきと』で『別冊マーガレット』(集英社)で金賞を受賞し、高校生漫画家としてデビュー。『13月の悲劇』『はるかなる風と光』『妖鬼妃伝』など、意欲作を次々と発表し、人気漫画家となる。1976年より『ガラスの仮面』(白泉社)の連載をスタートし、開始直後からベストセラーとなる。累計発行部数は5000万部を超え、少女漫画史上に名を残すロングセラー作品として継続中。2016年に連載開始40周年を迎え、各地で原画展が開催された。各界から絶大な支持を受け、テレビアニメ化、ドラマ化、舞台化などがされている。自らの神秘体験を盛り込んだ『アマテラス』は、メッセージ性の高い読み物として、幅広い層に支持されている。『妖鬼妃伝』にて1982年度講談社漫画賞、『ガラスの仮面』にて1995年度日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。
日本オペラ協会公演
『新作オペラ 紅天女』
2020年1月11日~15日/Bunkamura オーチャードホール S 席/1万2000円 A席/1万円 B席/8000円 C席/5000円 D席/3000円 青春割引チケット/2000円(すべて税込) 障がい者割引/S・A席が20%割引 お問い合わせ/日本オペラ振興会チケットセンター 電話03-6721-0874 Bunkamuraチケットセンター 電話03-3477-9999
原作・脚本・監修/美内すずえ 総監督/郡 愛子
作曲/寺嶋民哉 指揮/園田隆一郎 演出/馬場紀雄 特別演出振付/梅若実玄祥
管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団 石笛/横澤和也 二十五絃箏/中井智弥
出演/1月11日・13日・15日 小林沙羅 山本康寛 杉尾真吾 丹呉由利子 岡 昭宏 渡辺 康 三浦克次 松原広美 斎木智弥 飯嶋幸子 古澤真紀子 普久原武学 鈴木美也子 馬場大輝 嶋田言一 照屋篤紀
1月12日・14日 笠松はる 海道弘昭 山田大智 長島由佳 金沢 平 前川健生 中村 靖 きのしたひろこ 曽我雄一 栗林瑛利子 杉山由紀 龍 進一郎 佐藤恵利 望月一平 脇坂 和 清水 実