藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
記事一覧はこちら 11月30日の贈り花
あまりにユニークなスカビオサに思わず微笑みます
長崎県雲仙市の「フラワーガーデン寺尾」さんは、毎年個性的なスカビオサの品種を生み出しています。今年もその寺尾さんが新しいスカビオサを見せてあげる、と持ってきてくださったのがチョンマゲ市助です。
薄紫色のスカビオサの真ん中から、まるでちょんまげのように小さな葉が出ている花姿に笑いをこらえられませんでした。
友人の結婚祝いの贈り花を、という依頼を受けていたので、そのチョンマゲ市助を加えたアレンジを作ってみました。
ピンクのバラに白いニゲラ、繊細な花姿のレースフラワーをミックスして挿すと、ユニークなチョンマゲ市助が、なぜかナチュラルに見えてくるから不思議です。寺尾さんの育種のすごいのは、個性的でありながら、アレンジしやすい花を生み出すところだと思います。
新婚のお2人の元にこのアレンジが届いたら、初めはナチュラルな雰囲気に「わーっ」と喜んでくれて、その後にチョンマゲ市助に気づいて、くすっと笑ってくれると思います。
楽しい気持ちも届ける贈り花、素敵だと思いませんか? 寺尾さんにはくすっと笑えるスカビオサを、もっともっと生み出してくれることを期待しています。
【使用花材】スカビオサ チョンマゲ市助
バラ マリラブ、シーアネモネ
ニゲラ ミスジーキル
レースフラワー グリーンミスト
テマリシモツケ ルテウス
贈り花のヒントスカビオサは庭では春から初夏に咲く花ですが、切り花ではちょうどいま頃から豊富な種類が出回り始めます。「フラワーガーデン寺尾」さんをはじめ、スカビオサの育種をしている方も多く、毎年かわいらしい花色の新品種が登場します。
繊細でナチュラルな雰囲気で、どなたにも好まれる花なので、これから春まで、スカビオサを贈り花にぜひ利用してください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。