撮影現場なのに、本物の刑事さんと間違われる同化っぷりを発揮
個性よりもフラットに。それはしゃべり方だけではなかったのかもしれません。公式サイトのCAST & STAFFページでは、木村役の田口さんも写真つきで紹介されています。でも、すぐに田口さんだと気づかなかった方もいらっしゃるのでは。その写真は、存在感のあるメガネとヒゲのおしゃれなおじさま・田口さんのイメージとかけ離れていて……。
「それは監督の狙いですね。衣装合わせのときに、決めて詰めていったので。ヒゲも、最近の刑事さんは生やしている方もいらっしゃるけれども、基本的に僕の59歳っていう設定の年代の方はヒゲは伸ばしていないだろうということで剃りました」
さらに、「役作りの一貫でちょっと(体重を)上げてみました」。その結果、頰も少しふっくら。そこに「人の中に入れる、目立たないっていう僕個人の特性」も加わって、見た目にも、田口さんの色が見えない木村に。木村と同じ強行犯係の刑事・吉野直樹役の大倉孝二さんと捜査シーンの撮影をしているときに、「あれ? 本物の刑事さん?」とギャラリーの方に言われたこともあったとか。
「そういうのがうれしいタイプの俳優なんですよね(笑)。同化しているというか、そう見えるっていうのが。だから、“あ、こういうおじさん、いるよね”みたいな、そういう共感の目でもし観ていただけたら最高ですね」
映画を観て、「こんな俳優さん、いたかな?」、「新人が出てきた」、「どこで見つけてきたんだ」なんて言われたら、最高だと田口さん。