自身が演じる木村の見せ場ともいうべきシーンに感じた面白さ
地味で平凡で目立たない木村にも見せ場はあります。視力と弟を失い警察も辞めたなつめの「若くしてした挫折(で失ったもの)を取り戻すかのような、そんな健気な真剣な気持ちに触れて、何か自分の中では忘れていた感情を呼び起こされて」動いた木村は、「ドラマチックな物語に出会ったことがないので、つい勇んだ」状態だと田口さん。そんな木村の活躍が、「意外でしょ? でも僕は、脚本を読んだとき、そこにグッときたんですよね。人生にはありがちだなっていうか、リアルさを追求していて。面白いなと思える役柄でした」。
諦めない姿勢で木村を動かした、なつめを演じる吉岡里帆さんは、「主人公としての吸引力が素晴らしい」と田口さん。また、劇中でなつめと共に犯人を追う春馬役の高杉さんについては、「最近は、“大丈夫か、日本”って心配になるような、挨拶とかしない若手もいる中で、すごくきちんとしていて。演技に関しても真摯だし、好感を持っています」と言い、本作の現場は気持ちよく仕事のできる場だったと振り返りました。
撮影が行われたのは、今年1月〜3月。「やはり寒さはこたえましたね」という田口さんは、体中に使い捨てカイロを貼って撮影に臨んでいたそう。