原作がある作品に出演するのは怖い。それを変えた監督の言葉
原作には、高身長、美男子……とマサルを形容する様々なフレーズが並びます。それを読んで、「僕の中でマサル像を作っちゃっていたんです」という森崎さん。だからこそ、「それは到底できない」と思ったそう。さらに、「僕、アニメがすごく好きなので、アニメが実写化されたときの、原作ファンの感情とか感想とかを知っているから、原作ものをやる怖さがすごくあるんです」とも。それを変えたのは、石川 慶監督の言葉でした。
「原作の再現VTRを作るわけではないから、森崎ウィンのマサルを表現してくれたら、それで十分。むしろそこを求めているんだよということを言ってくださったんです。怖さもすごくありましたけど、監督の言葉で“俺は何をやっていたんだろう。そこじゃないんだな”っていうことを改めて知りました」
出演が決まってからは、原作から一度離れて台本とだけ向き合ったという森崎さん。そして、マサルは「表現者として新しい世界を切り開こうとしている、アツいものが胸にある、でも社交的でクールで刻むリズムのテンポがすごくゆっくりなキャラクターだなと思いました」。ただ、森崎さん自身は、「けっこうテンポが速い人」だといい、そのため「そのテンポをグッと落とすのが大変でした」。
森崎さんは「何か言われたら反射的に答える」タイプ。「マサルは言われたことをかみくだいた上に、発言一つひとつに気を使うんです」