進化する仏壇の洗練 第2回(全3回) ライフスタイルや趣味嗜好が多様化する現代、仏壇にも、それぞれの家庭のインテリアに調和するデザイン性が求められています。小空間にスマートに収まる厨子(ずし)タイプが充実する一方、北欧モダン、アンティーク調など、インテリアのテイストに合わせた、きめ細かなセレクトが可能です。家具として住まいにしっくりなじみ、美しいアートピースのような存在感を放つ、洗練された仏壇の“今”をご紹介します。
前回の記事はこちら>> 棚の一部を祈りの空間に。
「オープン型」のアイディア仏壇
仏壇を置く空間を新たに設けるのが難しい住まいにおすすめしたいのが、オープンラックや棚の一部を利用する「オープン型仏壇」です。
限られたスペースでも、特別な思いを込めて用意することで生まれる、わが家オリジナルの祈りの場。
広さに応じてアイテムを自在に組み合わせ、自分らしい空間を作ってみてはいかがでしょう。
高さのある背板が醸す祈りの場にふさわしい厳かさ
「ヴァルト ライト」(高さ36×幅36×奥行き30センチ)5万6000円 仏具5点セット7万6000円 位牌2万9000円/すべてギャラリーメモリア 金箔棒炭、ガラスの台/ともに銀座紀州備長炭ショップ 掌仏壇の多様化に伴い、25年ほど前に誕生したというオープン型仏壇。シンプルな形と響き合う、こだわりの無垢材で作られたのがこちら。
美しい木目を生かすべく、透明なカットグラスの仏具を合わせて。
その日の気持ちで組み合わせを変え故人と向き合える、3つの“場”
「DECO」(中央の直方体の高さ21×幅12.5×奥行き12センチ、右の箱の高さ12.5×幅12×奥行き12センチ、左の台座の高さ1.5×幅12×奥行き12センチ)10万円 位牌5万円/ともにまなか正面と左右が開いた直方体(中央)、下箱に上箱をかぶせた小箱(右)、台座(左)の、3つのパーツで構成。
配置を自由に変えることができ、故人と対話するように、置き換えるひとときも祈りの時間。
かけがえのない思い出を包むしなやかな曲線が優しい背板
「波」(高さ21.5×幅30×奥行き22 センチ)7万2000円仏具5点セット9万1000円/ともに丸喜女性デザイナーによる仏壇は、木工芸の町・旭川で生み出されたもの。高さを変えたリズミカルな背板は、写真立てになっています。
記念日のワンシーンなど、共通の記憶を刻む1枚を供えてはいかがでしょう。