さて、お出かけ当日。いつものようにしたくをすると、あっと言う間に完成です。普段は出発時刻から逆算して1時間前からきものを着始めるのですが、大幅に時間が余ってしまいました! あれだけ苦戦して結んでいた帯だったのに……。
いかがでしょう。作り帯とは全くわかりません。お太鼓をめくってみると、背中に当てて巻くだけ、というシンプルな仕組みがよくわかります。
後日、弓岡先生にこの結び方で外出したことを報告すると、「今度のイベントもお願いね」と微笑みながら一言。
先生、それは日本橋三越本店にて開催される本の発売記念イベントのことでしょうか!?
弓岡「その通り!」
弓岡先生も古谷編集長もアットホームな雰囲気に終始リラックスした表情でトークをしていました。E子も先生にお手伝いいただきながらお客様の前で実演。 この方法があまりにも簡単なので、皆様びっくりされていました。そして、日本橋三越本店にて開催された弓岡勝美先生ときものSalon古谷編集長によるトークセッション&帯結びレクチャーのイベント当日です。会場は限定20名という、秘密の小部屋のような空間。
前回の一色采子さんのトークイベントでも感じたことですが、お越し下さったお客様も、ゲストの先生や編集長もとても和やかな雰囲気で楽しそうなんです。でもこれってものすごく贅沢なことではないでしょうか!
弓岡「帯を美しく仕上げるために、ご自身のヒップのサイズと帯のサイズを知っておいてください。そうすれば柄の出方もお太鼓のバランスも調整できるようになりますよ」
帯結びに関するお話が終わると、銀座結び、切らない作り帯の実演へ。盛りだくさんの内容で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
E子、これまで自分のヒップのサイズなど全く気にしておりませんでした。お太鼓の柄も、前帯の柄の出方にもかなり苦労しております。名古屋帯も袋帯も共に課題は山積み。弓岡先生の新しい本でたくさん学びたいと思います!
最後にこの本の担当編集・M下先輩からメッセージをいただきました。
「胴に帯をふた巻きするというのは、すべての帯に共通ですよね。ただ胴に巻くだけなのに意外と難しい。でもここを押さえておけば、帯結びの8割はできたも同然。そしてもうひとつ大切なのがてとたれを結ぶ(折り上げる、ねじる)ということ。この2つができれば、帯は美しく仕上がるんです。
今回は弓岡先生監修のもと、今まで誰も取り上げてこなかった、帯結びの基本中の基本を丁寧に解説したのがこの本の最大の特徴です。お太鼓を作る前段階にもスポットを当てています。ぜひお手に取ってご覧いただけたら嬉しいです」
※トークイベントの内容は近日本橋三越本店のオフィシャルサイト「きものゴコロ。」にて近日中に公開予定です。 Information
壱の蔵 青山サロン
東京都港区北青山3-10-6 第2秋月ビル2階
新人きものライターE子&A子の 「イチから始めるきもの道」
『10分でキレイに結ぶ 帯結びの基本』
弓岡 勝美 (著)
構成・文/笹本絵里 中島敦子
※この連載で取り上げて欲しい、皆さんの「いまさら聞けない」きものの基本&疑問をぜひ お聞かせください! 件名「イチから始めるきもの道」と明記し、メールにてお寄せください。 E-mail:k-salon@sekaibunka.co.jp