観客みんなが、「これは私の物語なのかも」と思える作品
「砂田の抱えているものとかこの映画で描かれている感情とか、そういうものにすごく共感できて。うまく説明できないけどなんだか寂しいって気持ちだったり、時が過ぎていくことへの焦燥感だったり。そういうものって誰しもが抱えていると思うんですよね。監督の実体験が脚本にとても反映されているのですが、それを読んだときに、これは私の物語でもあると感じましたし、私だけではなく、きっと観てくださる皆さんにもそんなふうに受け取ってもらえるのではないかと思います」
今年6月に28歳になり、「20代後半って、すごく揺らぐ時期じゃないですか。いろいろなことに悩むし、葛藤する時期」と夏帆さん。夏帆さん自身の揺らぎも「画に出たらいいなと思って、監督は演出されていた部分があったんじゃないかなと思います」。
「カメラの前に立っているのは砂田という役を演じている私で、決して素の私ではないんですけど、監督は芝居からはみ出した演者の人間性みたいなものを撮りたかったのだと思います。今回の役は新境地だと言っていただくこともあるのですが、新たな一面とかではなく、より本質的な私を撮っていただいたという感覚です」
「今までの映画ではあまり描かれていない砂田のような女性像は、新しいというより現代を生きる女性たちの姿なのかなと感じます」