濃密な時間を共に過ごした、箱田監督とシム・ウンギョンさん
クランクイン前、ロケハンにも参加したという夏帆さん。砂田には箱田監督自身が投影されているということもあり、「監督がどういうところで生まれて、どういう家に住んで、どんなご両親のもとで育ったのか、知りたかったんです」。そして、「実際にその場所に行ってみて、自分がここで生活していたら……って想像してみたりしながら、砂田を作っていきました」。
箱田監督の出身地・茨城県で12日間という短期間で撮影された本作。夏帆さんいわく、箱田監督とは「ここまで距離が近いっていうのは初めてだと思います」。濃い時間を共に過ごし、撮影が終わってからも仕事抜きで「飲みにいってます」という間柄に。その飲みの場には、もう一人。清浦役のシム・ウンギョンさんも欠かせないメンバーです。シム・ウンギョンさんとの芝居は、「ものすごく刺激的でした」と夏帆さんは振り返ります。
「今まで出会ったことのないタイプの役者さんで。本当に素晴らしい方だと思いました。感受性が豊かで、役への理解も深いし。砂田は、一緒にいる相手によって違う顔を見せますが、キヨ(清浦)といるときはリラックスしていて、家族の前では居心地の悪さを感じている。その違いをどう演じていこうかと迷っていました。でも、共演者の方たちがそれぞれのシーンで違う空気感を作ってくださったので、そこに乗っかるだけでよくて。力のある共演者の皆さんにとても助けていただきました」
「とにかく短い日数だったので、撮影時の出来事は覚えていないことが多いんですよね(笑)。駆け抜けた、みたいな感じがあります」