吉佳の気持ちを心の中に強く持っていれば、言葉はなくても表現できる
吉佳を演じるにあたっては、「自然に」がキーワードになっていた様子。内片 輝監督からも「自然に見せたい」とリクエストがあり、「どうやったら自然に演技ができるか、アドバイスをいろいろいただきました。例えば、悲しくなるシーンでも怒るシーンでも、それがもしリアルに起きていて、自分が同じ立場だったら、そりゃ悲しくなるでしょ、怒るでしょ、って。そういうことをシーンごとに教えていただいて、より自然にできたと思います」。
社交性のなさ以外にも、自身が置かれた環境なども似ている吉佳と八木沼。「共感できたから、一緒にいられたのかな」とSUMIREさんが言うとおり、2人は距離を縮めていきます。ただ、「一緒にいるときって、そんなに話さないんですよね」。セリフなく感情を表現するのは、難しかったのでは……?
「花壇に花を植えるシーンがあるんですけど、そこでも話していなくて。でも、話さなくても、身ぶり手ぶりでも気持ちって表現できると思います。例えば、“一緒にやろうよ”っていう気持ちを心の中に強く持っていたら、自然と表情とかに出るんじゃないかなって。だから、2人でいるときは、強く思うっていうことを心がけていました」
吉佳は、「家庭環境も複雑だし、お兄ちゃんも……。孤独な女性ですね」とSUMIREさん。常に吉佳の感情を心の中に置いて演じた。