専門店に聞きました!きものコーディネートのコツとTPO 第2回(全8回) 『きものSalon』本誌が頼りにする専門店に聞くコーディネート企画。今回のテーマは「ハレとシャレ」。現代のフォーマルシーンに提案したい「ハレ」の装いと、きものファッショニスタになれる「シャレ」。さてその極意とは?
前回の記事はこちら>> きものと帯が引き立てあう取り合わせを
「染と織 井筒屋」
〔ここがポイント〕
ハレは上品な華やかさ、シャレはコントラストが鍵
「ハレの場の中でも具体的にどんなシーンか、どんな立場で出席されるのか、その場にいる方にどう見られたいのかを伺ってご提案しています。華やかな品のよさが基本ですが、お召しになる方個々の上品さを引き出すものを見極めるのが、専門店のチカラかと思います。シャレでは古典柄にとらわれない新しい感覚を取り入れて、きものと帯が互いに引き立つ取り合わせにすると都会的になります。さらに足さばきのよい着やすい素材を選ぶのがポイントです」(店主 早川泰右さん)
「染と織 井筒屋」の提案
東京・世田谷の商店街にある井筒屋さんは先々代まで染物商でした。その関係で東西の職人さんと一緒につくり上げてきたお誂えの雛型がいまも大切に受け継がれています。
古典とモダンのいい塩梅がとれるのも知識と経験豊富な専門店ならでは。もちろん直しものも得意の範疇で、譲られたきものを甦らせる上手なリフォームも提案してくれます。
今回ハレきものとして提案するのは王道の古典柄訪問着。地色の透明度がいまの気分です。シャレきものの縞をよく見てください。織りではなく染めなんです。さりげなくすごい。無地紬に洒落帯、縞きものに更紗帯といったきものと帯がお互いに引き立てあう装いを目指します。
撮影/西山 航、伏見早織、久保田彩子(本誌) 着付け/高橋惠子 園田美保子 伊藤和子 構成・文/古谷尚子(本誌) 協力/夢訪庵(扉ページの帯)
『きものSalon』2019-20秋冬号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。