次作では、「トランスジェンダーの女性を描きたい」といい、そのために「そうした方を追って、1~2年過ごそうかなと思っています」。映画を観た人たちにパワーを与えられたら素晴らしい
19世紀の北ベトナム。大地主の第三夫人として嫁いできた14歳のメイ。男の子を産んでこそ、“奥さま”になれることを知ったメイはやがて妊娠し……。ベトナムでは、正式な上映許可を得ているにもかかわらず、14歳の少女が嫁ぐという内容や官能描写が物議を醸し、炎上状態に。公開後4日で上映中止となりましたが、本作は世界遺産チャンアンを舞台に、父権社会で男児を産むことが女性唯一の務めだった時代を生きる女たちの複雑な感情を丁寧にすくい上げています。「私の第1作が日本で紹介される機会をいただいたことに感謝しています」というメイフェア監督からのメッセージです。
「この映画は、ベトナムのある一族のファミリーヒストリーですが、女性であれば世界のどこにいる方にも共鳴してもらえるのではないかと感じています。観てくださった方、特に女性にエンパワーメントや、自分が少し強くなったような感じを抱いていただけたらうれしいです。そして、自分の夢を追うパワーとか、自分たちの声をもっと上げていいんだよということを感じていただけたら、素晴らしいなと思います」
アッシュ・メイフェア/Ash Mayfair
映画監督
ベトナムで生まれ育ち、14歳から欧米へ。ニューヨーク大学大学院で映画制作を学び、美術学修士号を取得。短編映画『The Silver Man』や『No Exit』(ともに日本未公開)が多くの国際映画祭で上映された。脚本が2014年のスパイク・リー プロダクション ファンドを受賞した『第三夫人と髪飾り』で長編映画デビュー。同作は、数々の賞を受賞するなど、注目を集める。
『第三夫人と髪飾り』
監督・脚本:アッシュ・メイフェア
出演:トラン・ヌー・イエン・ケー マイ・トゥー・フオン(Maya) グエン・フオン・チャー・ミー グエン・ニュー・クイン レ・ヴー・ロン グエン・タイン・タム ラム・タイン・ミー マイ・カット・ヴィ ブイ・チュン・アイン ファム・ティ・キム・ガン
配給:クレストインターナショナル
2019年10月11日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
公式サイト
http://crest-inter.co.jp/daisanfujin/Ⓒcopyright Mayfair Pictures.