ゲノム情報の収集で個別化医療に役立つ研究に
コホート研究は、一般に参加人数が多いほど、また研究する期間が長いほど研究データの正確性が高まる一方で、莫大な費用と手間がかかります。
ゲノム分析も行うバイオバンクの運営ではその負担はより増大します。研究を継続できる仕組みづくりは大きな課題になっています。
また、「後でゲノムの分析によって思わぬ病気が見つかった場合、遡って個人を特定して告知するかどうかの判断は非常に難しく、当機構では対象疾患や人数を限定した研究に取り組んでいます。ゲノムを用いる個別化医療を本格化するにはこのような研究に大規模に取り組む必要があります」。
住民コホート研究には、病気が見つかっていない状態から病気の発症をつかまえられる可能性があります。
「調査・研究を続けることで、多くの因子が絡む生活習慣病や認知症などにかかわる生活習慣や遺伝子、その組み合わせを突き止め、予防につなげられれば」と長神さんは語っています。