藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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縁起のよい花材で作るお正月飾りで新年を迎える
今日から年末までの1週間は、どこの花屋さんも大忙しになります。お正月飾りや新年の部屋に飾る花だけでなく、新年の祝い花、挨拶の手土産にする花など、さまざまなオーダーをいただきます。
オーダーのすべてにお応えできるように、ご自宅用の飾りやアレンジは、あらかじめいくつかのデザインを決めておき、サンプルをお見せして選んでいただくこともあります。
今回ご紹介するのは、玄関のドアや室内の壁に飾る注連飾りです。現代風のデザインの家にも気軽に飾れるように、少しカジュアルな雰囲気のデザインにしました。
毎年、変わった花材を加えて個性的に仕上げる工夫をしています。今回選んだのは瓢箪(ひょうたん)。ヒョウタンはウリ科の植物で、旺盛に伸びたつるに鈴なりに実がつくことから、昔から「繁栄」「円満」などの象徴とされています。
また、古来あの大きな膨らみが悪い気を吸い取ると信じられていて、魔除け、厄除けのアイテムとしてもよく利用されます。
今回はアレンジしやすい小さめのサイズで、赤やゴールドのほか、黄色や紫などに塗られた瓢箪をたくさん入手して、注連飾りのアクセントとして加えてみました。
ベースに使うマツやオタフクナンテンも縁起のよい花材です。サンプルを用意していても、花材を手にすると、それを生かす形に少しずつ変更を加えるので、結局、ひとつとして同じものはできません。
新年を迎えるための大切なアイテムですから、慌ただしい中でもひとつずつ心を込めて作りたいと、栄養ドリンクを飲みながらの制作が、いよいよ今日から始まります。
【使用花材】マツ
オタフクナンテン
ウメの苔木
チランジア
ヒョウタン(ゴールド)
水引
贈り花のヒントお正月の注連飾りは、そのままドライになっても美しいような花材を選んで作ります。だから、少し早めに入手しておいても大丈夫。
年末の挨拶のときに贈られる方も多くいらっしゃいます。家の玄関ドアの外側に飾るのが基本ですが、カジュアルなデザインで制作しているので、室内の壁飾りにもできます。
縁起もので作った注連飾り、ぜひお気に入りのデザインを飾ったり、贈り花に利用してください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。