きものメイクの極意 第4回(全5回) 映像や雑誌のきもの撮影で、女優たちから圧倒的な支持を得るヘア&メイクアップ アーティスト、黒田啓蔵さんがこの秋冬のトレンドでもある“赤”をキーカラーにした華やかで若々しい印象の最新きものメイクを指南。これまでの常識を覆す、“上品綺麗”の極意を教わります。
前回の記事はこちら>> 【口もと】唇の赤みはきものの濃淡でバランスをとる
左:きもの、帯/弓月京店 帯揚げ/加藤萬 帯締め/道明 右:きもの、帯/永治屋清左衛門(永井織物) 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明 大人のきものメイクにストレートな赤口紅は難しい、というのが黒田啓蔵さんの見解。華美になりすぎる傾向があるからです。
「どんな色のきものでも、しっくりなじむのが“赤紫”のカラーレンジです」。
濃い色ならボルドー、ワインレッド、カシス。淡い色ならモーヴピンクがおすすめ。色の選択は、きものと強弱のバランスをとると洗練された印象に仕上がります。
「きものの色が濃い場合(上写真左)は、口紅は引き算して淡い色を。反対に淡い色(上写真右)なら、華やかなリップメイクで装い全体を引き締めて」。
口紅自体のつやを抑える必要はありませんが、グロスは控えましょう。
〔淡い色のきものには…〕
あでやかな深いカシス色でメイクのポイントに
淡い色の口紅を合わせると、ぼやけた印象になりやすい淡い色のきもの。パッと人目を引く濃厚なカシスが好バランスです。リップライナーは必須。輪郭の乱れと口紅のにじみを防ぎます。
●使用アイテム
右:柔らかなテクスチャーで唇にフィットし、ぼかしも簡単にできる一本。プレシジョンリップライナー 9089 2700円/ナーズ 左:ベルベットのような質感がきものに最適。ルージュ・ジバンシイ・ベルベット 42 4600円/パルファム ジバンシイHOW TO
●リップペンシルを寝かせて描き、幅広いラインに
こうして描くとぼかす必要がなく、時間が経ってもラインの跡が目立ちにくくなります。
●ブラシで丁寧に塗り唇にフィットさせる
リップブラシで内側から塗り始め、輪郭に口紅がたまらないように注意。にじみを防ぎます。