華々しい外交の舞台を拝見
主庭より、鯱(しゃち)や亀、グリフォンなどで装飾された国宝の大噴水越しに本館を望む。本館の周りには、松葉の緑が鮮やかなタギョウショウが21本植えられており、日本的な趣のある西洋様式の庭園となっている。国宝・迎賓館赤坂離宮のおもてなし
開館以来、世界各国の国王や大統領、首相をお迎えし、昭和から平成そして令和と、接遇の場としての歴史を紡ぎ続けている迎賓館赤坂離宮。日本のおもてなしの最高峰ともいえる格調高く、美に満ちた空間を訪ねます。
【朝日の間】
「朝日の間」は、国賓・公賓用のサロンとして使われ、表敬訪問や首脳会談なども行われる最も格式の高い部屋。天皇皇后両陛下が挨拶を交わされるのもここである。朝日を背にした女神が描かれた天井画修復などの約2年間の改修工事を終え、今年4月から一般公開が再開された。壮麗な西洋宮殿での接遇に思いを馳せる
深い緑に囲まれた元赤坂の最北に位置し、日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋宮殿建築として壮麗な姿を誇るのが、迎賓館赤坂離宮です。
ここは、日本を訪れた世界各国の国王や大統領、首相などの国賓や公賓が宿泊し、歓迎行事をはじめ会談、晩餐会の開催といった華々しい外交活動の舞台となっている接遇のための施設。
端正なシンメトリーをなす、花崗岩を用いた本館の外観。緑青(ろくしょう)の屋根には、天球儀と霊鳥、建物を守護しているかのような阿吽の鎧武者が配されている。2016年に始まった一般公開が好評を博し、今まで国内外から200万人を超える参観者が訪れるという注目の観光名所になっています。
【2階大ホール】
2階大ホールより中央階段を見下ろす。到着した賓客はこの階段を上がり、行事が行われる部屋へと進む。金箔で装飾されたアーチ天井の妻面には、南に朝の風景、北に夕景の油彩画が対で描かれている。明治時代以降に造られた建物で初めて国宝に指定された文化財としての見どころはもちろん、賓客へのおもてなしの場として現役で使われていることも、この空間が多くの人々を魅了している理由の一つ。
2016年12月2日。「朝日の間」でお別れのご挨拶をされる、シンガポール共和国のトニー・タン・ケン・ヤム大統領閣下および同令夫人と、平成の天皇皇后両陛下。
写真/内閣府迎賓館ウェブサイト庭園や館内を巡り、新聞やニュース映像を通して見知った接遇の場に実際に身を置いてみると、迎賓館赤坂離宮が刻んできた伝統の重みや、わが国の誇りを強く感じることができるでしょう。