台本に書いていない部分もとても大切。想像をふくらませて準備を
「監督はサヤカとルーの演出に時間をかけていらっしゃったので、大人(の出演者)たちはちせちゃんがお芝居に集中できるように、自分たちの仕事をきちんとこなさなければならないという気持ちでいらしたのではないかと思います。私も、その緊張感はありましたし、ちせちゃんがいいお芝居をしているのを台無しにしないようにっていうプレッシャーも。お父さんとお母さんにすごく大きなドラマがあるわけではないからこそ、家族の見えないドラマをたくさん想像して、積み重ねて撮影に臨まなければと思いました」
台本には書かれていない部分が「とても大切だと思う」という坂井さん。衣装合わせのときに監督と話した内容やセットから、「“このお母さんは、こういう趣味なんだ”とか“こういうことが好きで、こういう性格かもしれない”」といったふうに想像を重ね、「おだやかで、でも芯は強くて。きっと料理はちゃんとする人だ」とサヤカの母親像をつくっていきました。さらに、滝藤賢一さんが演じる父親と結婚したというところから、「わりとちゃんといい恋愛をしてきているだろうな」と感じたそうで、「楽しいですね、あんなこともこんなことも勝手にいろいろ考えるのは(笑)」と加えました。
「監督の気持ちいい“OK”が聞けるのが幸せな瞬間」だから、任されても、細かく演出されても、「OKが聞けたら、どちらでも大丈夫」。