母のタンス、娘のセンス

女優・一色采子の 「母のタンス、娘のセンス」〜神無月徒然便り

2019.10.16

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疋田絞りを可憐な菊に見立てて、二本松の菊の祭典へ


女優 一色采子さんのきもの便り『母のタンス、娘のセンス』
10月の第1週目には、わたしが観光大使を務める亡き父の故郷、福島県二本松市の菊まつりへ。この連載でも、著書の中でもご紹介させていただいていますが、毎年趣向が凝らされていて、仕事で訪れているわたしも素に戻ってはしゃいでしまうほど(笑)。

女優 一色采子さんのきもの便り『母のタンス、娘のセンス』
きものは母のタンスの一枚。母にしては珍しくインパクトのあるデザインです。淡い黄色が遠目に浮き立つ本疋田に、ところどころ刺繍や金泥で秋の花々を施した、おそらく作家の手によるもの。


母は、呉服屋とのおつきあいで購入したようですが、どうも「自分には合わない」と思っていたようで、一度着たきりだと思います。わたしがずいぶん若いうちから「あなたが着なさい」と半ば押しつけられたように譲られましたが、当時は地味に思え、ずっと箪笥に眠っていました。長い時を経て、この度ようやく眠りから目覚めました(笑)。お会いする方々からは、絞りが菊の花のようにぽってりとして愛らしいと大変評判が良かったです。

帯は、なんとダイヤモンド1ct分のパウダーを和紙に装飾し、糸状に裂いたものを引き箔の帯のように織り上げた珍しい逸品。会場のライティングを受けて、繊細に煌めく美しい一本です。帯が無地感覚のため、得意の帯留め使いを。和菓子のような愛らしい縮緬細工のものを、3色組み合わせてボリューム感を演出しました。随分前に求めていたものですが、このために誂えたようにぴったりのコーディネートに。帯揚げの鮮やかな朱色も秋らしいワンポイントです。
女優 一色采子さんのきもの便り『母のタンス、娘のセンス』

会場のあちらこちらで、記念撮影! シックなきものなら、菊の花を邪魔することなく、互いに引き立て合うようです。

女優 一色采子さんのきもの便り『母のタンス、娘のセンス』

最後にお知らせを2つ。

まずは、二本松のイベント。先月もご案内させていただきました、「大山忠作美術館開館10周年特別企画展 新しい日本画を作った人たち 新五星山展」が開催中です。わたしが毎日美術館に滞在し、作品の解説をしていますので、是非お越しください。

期間:2019年10月13日〜11月17日 *開催期間中は休館なし

http://www.nihonmatsu-ed.jp/oyama/index.html

もう一つは、11月30日(土)に世界文化社の「セブンアカデミー」で開講する、

「母のタンス、娘のセンス」の1日講座のお知らせです。お母さま譲りのきものの着こなしに悩まれている方はもちろん、娘時代のきものをもう一度スタイリッシュに着こなしたいという方まで。わたし流のコーディネート術をお伝えできればと思いますので、どうぞご参加ください。(詳しくは下記参照)

一色采子/Saiko Isshiki


日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。



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女優・一色采子さんがお母様から受け継いだきものや帯を、現代的な感覚で“わたし流”にとことん着こなすスタイリング術をご紹介します。 お母様のきものをどう着て良いのかわからない方、手元にあるきものを自分でおしゃれにセンス良く着こなしたい方など、ヒントがたくさんつまっています。 日時:2019年11月30日(土) 13時~14時30分 お申込・詳細はこちら>>
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