さて、
おせち料理の素材は取り寄せてみたものの、どうやって詰めると、おいしそうなお重は完成するのでしょう。
家庭画報ショッピングサロンオリジナル「六寸三段金箔モダン重」におせちを詰めて撮影した、久保香菜子さんに、美しくバランスのよい詰め方のコツをうかがいました。
久保香菜子(くぼ・かなこ)さん
代々美食家の家系に育った、おいしいものに目がない料理家。家庭画報編集部でも、「久保セレクション」の食材には、厚い信頼を寄せています。「おせち料理を三段重に詰める場合には、壱の重に黒豆や数の子などの「祝い肴」と紅白かまぼこや昆布巻きなどの「口取り」を入れます。
弐の重に詰めるのは、ブリの照り焼きやエビ鬼殻焼きなどの焼き物と紅白なますなどの酢の物です。そして、参の重は煮しめなど根菜類を中心とした煮物を入れます。
それぞれ子孫繁栄や長寿祈願など、おめでたい意味を持つ食材が集められていますから、それを思い出しながら詰めていくもの愉しみですね」
下の段から順番に説明します。
まずは、「参の重」
前後左右の色合いを意識して、きっちり詰める
「参の重のお煮しめは、どうしても茶色に偏りがち。彩りを意識して全体の完成図をあらかじめ考えておくとよいでしょう。味は濃淡があっても近しい風味、味移りの心配は不要。一番のコツは、盛るのではなく、詰める意識でスペースをきっちり埋めていくことです」
大きくてボリュームのある里芋をトップバッターとして置いていきます。白の場所を決めていきます。続いて手綱こんにゃく、昆布宝巻き、蓮根煮、椎茸含煮と似通った色が隣り合わせにならないよう配置。青蕗煮は、唯一の緑色なので重要な素材。中央を意識して。高野豆腐と筍土佐煮を詰めたら、最後に人参を。赤い人参を散らすことで彩が華やかになり、同時に隙間をギュっと埋めてくれるのです。後は、青い葉などで飾りつけ、手前の高野豆腐に記された「寿」の字を見せれば完成です。