気持ち、行動……。様々なところではるかとリンク
「ちょっと興味を持ったら、その土地に行くことがあります。前日に決めて、次の日には海外に行ってたり」という奈緒さんは、「母から無鉄砲で後先考えていないって言われるんです」。それだけに、はるかと「気持ちがリンクする部分が多くて。はるかの行動も、“わかる、わかる”っていうところがすごくありました」。
「はるかはたぶん、たくさんの趣味とか楽しみを持っている人でもなかったんじゃないかなって思うんです。でも、自分でもこんな自分を想像したこともないっていう、内側から湧き上がってくるものにふと出会って、これは絶対に手放してはいけない、(備前市の)伊部までとりあえず行ってみようってなる。自分が何かに興味を持てた高揚感と、それを突き詰めたくなる気持ちは心からうなずけました」
はるかの興味の先にあるのは、備前焼。一方、奈緒さんも、本作がきっかけとなり、「我が家にも備前焼があふれてます」。
「備前焼について無知だったので、勉強しないとと思いましたし、プレッシャーも感じていたんです。1000年の歴史がある備前焼に関わる映画の主演が自分で大丈夫なのか、って。でも、土を練る練習を始めたら、不安も吹き飛んでいったんですよね。撮影に入る前に、いろいろお話を聞いたり、勉強させてもらって、ろくろも回させていただいて。それがもう、そのままはるかがたどった感覚に近いのかなと。知れば知るほど、備前焼の魅力にハマッていったので、そこもはるかとリンクしていて、無理がなかったです」
「触れてみると、土が気持ちよくて没頭できるんです」という奈緒さん。撮影期間中の休日には、スタッフも一緒にろくろを回した。