『きものSalon 2017春夏号』の「女流作家のきもの」特集でもご紹介した湯本エリ子さんに別注したきものができ上がったと聞いて、早速旭川へ飛びました。
すぎをさんのリクエストは、帯次第でコーディネートの幅が広がるような、葵の丸文様。下絵から起こしてもらい、配置や柄の大きさなど綿密に相談しました。パステル系の作品が多い湯本さんに、あえて濃い地の赤紫をオーダー。そこに効かせた挿し色のターコイズブルーが湯本さんならではの表現となり、洗練された付け下げが完成したのです。
湯本エリ子さんに別注した付け下げ。きもの地43万円。手の込んだ立体的な表現の誉田屋源兵衛の九寸名古屋帯を合わせて。さて、この付け下げをどう着こなすか。白地の鏡裏文の帯を合わせてすっきりと都会的に、が、すぎを流。しかも鏡裏文は綿を入れて織り立体感を出したこだわりのもの。そんな提案が、旭川を飛び出して最近は札幌のきもの好きに歓迎されているとの噂。納得です。
店主は毎月、京都の問屋、全国各地の作り手を訪ね、確かなものを自分の目で選んで仕入れています。常に新しい作品が揃い、それを目当てに気軽に集う常連さん。という図式は相変わらず、それが拡大しているというのはとても嬉しい限りなのでした。
最近のお気に入りは誉田屋源兵衛の帯。螺鈿麻の葉模様の「綺羅織璃」帯を、すぎを流に黒鳶色の胡粉足長暈しのきものでコーディネート。ラメ入りの白い帯揚げでパーティ仕様にしてみました。