北村さんが「まさよしさんは、僕の両親がファンというくらいの大先輩。最初は緊張しました」と言うと、「その割には本読みの時、コンビニの袋に台本を入れてふらりと現れたよね(笑)」と応じる山崎さん。 ――山崎さんは主演のほかに、映画音楽や主題歌も手がけられていました。 山崎: サントラの案は現場で練りました。修一を演じているときに思いついたアイディアも入ってます。音楽が映像を引っ張るのではなく、映像をとにかく一番大事にしたいと思って作りました。映像と音楽で相乗効果が生まれるのが、サントラのよさだと思うので。
匠海君に助けてもらったこともありました。「男の子のソプラノの声で作りたいんだよね」って話したら、「こんなのがありますよ」ってYouTubeで聞かせてくれたんだよね。
北村: そのシーンを完成版で見たときに、「うわー、音楽が寄り添ってるなぁ」と思いました。それに、体に浸透していくような感じもあって。
――主題歌「影踏み」に込められた思いを教えてください。 山崎 :主題歌は、ラッシュ映像を何度も観ながら作ったんです。自分の芝居を何度も何度も何度も真正面から観るのは地獄の苦しみで、もうええがなと思いましたけど(笑)。
子供の頃は、修兄ぃと啓二は仲よくブランコに乗ってたのかなとか、そんな情景を思い描いて作りました。主題歌が流れるエンドロールで、そんな様子を思い浮かべて観客の皆さんに兄弟の絆を感じてもらえればと思ったんです。
北村 :映画を観たとき、あそこでなんとも言えない気持ちがこみ上げてきて、一番泣けました。「まさよしさん、やっぱりすげーな」と思って、アーティストとしても刺激を受けました。
以前、寺尾聰さんが「音楽をやってる人は、演技にもリズムがある」とおっしゃっていて、それも心に残っていて。
山崎 :わかる気がします。匠海君が音楽で表現する人でもあるということで、わかりあえるような感覚はありましたね。「こうきたら、こう」と予定調和で進める人もいますよね。でも、匠海君とは何が起こるかわからないという“ケミストリー感”も楽しめました。
映画の最後を自分の主題歌で締めくくることができたというのは、ミュージシャンとして感無量です。ぜひ、エンドロールの部分も含めて劇場の大きなスクリーンで観ていただけたらと思います。
山崎まさよし/Masayoshi Yamazaki 北村匠海/Takumi Kitamura 山崎まさよし/Masayoshi Yamazaki シンガーソングライター・俳優
1971年12月23日生まれ。山口県出身。92年デビュー。95年「月明かりに照らされて」でメジャーデビュー。96年映画『月とキャベツ』(篠原哲雄監督)で初めて主演を務め、主題歌「One more time, One more chance」が大ヒット。主演を務めた映画『8月のクリスマス』(2005年)では劇中の音楽も手掛けた。主題歌「影踏み」を含むオリジナルアルバム「Quarter Note」を11月13日にリリース予定。
北村匠海/Takumi Kitamura 俳優・歌手
1997年11月3日生まれ。東京都出身。2008年『DIVE!!』で映画デビュー。近年のドラマ出演に『隣の家族は青く見える』(18年フジテレビ系)、『グッドワイフ』(19年TBS系)など。主な映画出演に『君の膵臓をたべたい』(17年)、『君は月夜に光り輝く』(19年)など。劇場版アニメ『ぼくらの7日間戦争』が12月に公開予定。
『影踏み』 原作:横山秀夫『影踏み』(祥伝社文庫刊)
監督:篠原哲雄
脚本:菅野友恵
出演:山崎まさよし 尾野真千子 北村匠海 中村ゆり 竹原ピストル 中尾明慶 藤野涼子 下條アトム 根岸季衣 大石吾朗 高田里穂 真田麻垂美 田中要次 滝藤賢一 鶴見辰吾/大竹しのぶ
配給:東京テアトル
11月15日(金)より全国ロードショー
公式サイト
https://kagefumi-movie.jp/ VIDEO
© 2019「影踏み」製作委員会