4度目の上演となる今回は、少女ケガレが出会う少年ハリコナ(初演&再演)でも、大豆からできた兵士・ダイズ丸(再再演)でもなく、物語のダークサイドを担う“マジシャン”という役を演じるという。
2005年の『キレイ』再演では少年ハリコナを演じた阿部さん。歌も抜群にうまく、脚本家・俳優の宮藤官九郎さんらと組むバンド「グループ魂」ではヴォーカルを務めている。写真左は少女ケガレ役の鈴木蘭々さん。撮影/ 谷古宇正彦「びっくりしましたね。まさか自分がやるとは思っていなかったですし、マジシャンの目線で台本を読んだこともなかったから、4度目にしてまっさらな気持ち(笑)。松尾さんが台本に手を入れて、マジシャンの歌というのも増えるそうなので、読むのが楽しみです。マジシャンの狂気の部分を出したいですね」
ちなみに松尾氏はこのたび、『キレイ』を上演し続けてきたBunkamuraシアターコクーンの3代目芸術監督に就任することに。
本作品が就任1作目となることもあり、2019年9月に開かれた就任会見では、『キレイ』でこれまで少年ハリコナを務めた阿部さんと小池徹平さん、そして今回、初舞台にして同役を演じる神木隆之介さんが、3人で少年ハリコナのナンバー「俺よりバカがいた」を披露した。
「松尾さんが芸術監督というものに興味があるとは思わなかったので、就任の話を聞いたときは意外でした。でもイベントみたいな会見に出て、松尾さんこそやるべき人だなと感じましたね。楽しいのが好きって、いいなと思って。
今後のラインナップが楽しみです。その松尾さんが、今回は演出に専念するということで、初めて『キレイ』に出ないんですよ。それはちょっと寂しい。でも、隙あらば出ようと思っている気はしますね(笑)」