「旅と映画をテーマに、じっくり準備してきました」——村治佳織
「包み込まれるような場の力を感じるホールです。準備を進めながらワクワクしています」と話すギタリストの村治佳織さん。
2019年12月にクラシックホールの殿堂、サントリーホールで、日本ロレックス presents『~デビュー25周年を越えて~ 村治佳織 ギター・リサイタル2019“旅と映画に恋して!”』を開催する。
同ホールでのリサイタルは11年ぶり。プログラムは昨年秋に決まったという。
「オファーを伺ったときに、自分が客席で聴いてみたいプログラムができたらお受けしようと思って、少し時間をいただいたんです。行きつけのカフェで、まずはコンセプトを“旅と映画”に決めました。
演奏旅行から始まった私の旅は、今では自分の人生に欠かせない大好きなもの。初の海外旅行にパスポートを忘れて飛行機に乗れなかったり(笑)、最初からハプニング続きだったので度胸もつきましたし、予期せぬ出来事も楽しめるようになりました。旅には始まりと終わりもあって、まさに人生の縮図だなと感じています」
都会の喧騒を忘れて一気に違う世界へトリップ
今回のリサイタルでは、そんな旅を象徴する各国の音楽「コユンババ」(ドメニコーニ作曲)、「カスティーリャ組曲」(トロバ作曲)、「ソナタ『ボッケリーニ讃』」(テデスコ作曲)、「ダウランドによるノクターナル」(ブリテン作曲)、
『カデンツァ:ギター協奏曲』より「ショーロス第一番」(ヴィラ=ロボス作曲)と、映画『禁じられた遊び』『ミッション』『ロミオとジュリエット』『戦場のメリークリスマス』からの楽曲を交互に演奏する。
その日途中からカフェにやってきた父・村治 昇さんの意見も聞きながら、選曲したそうだ。
「普段はプログラムの中盤か後半に演奏する大曲『コユンババ』を、あえて1曲目にしました。異国情緒たっぷりのトルコの曲で、都会の喧騒を忘れて一気に違う世界へトリップしていただきたくて。
『禁じられた遊び』からは、私が新たに編曲した『愛のロマンス』を演奏します。クリスマス4日前の公演なので、最後は坂本龍一さん作曲の『戦場のメリークリスマス』の音楽をお届けします」