役の感情や成長を表現する行動、姿勢、目線、表情……
「リップクリームはつけるけど、色付きはつけないみたいな、微妙なことだと思って。女の子っていう部分をあまり見せないほうがよかったんですよね、きっと。澪の中にあってもいいと思うんですけど、それはこれから出てくる部分で。子供な部分がまだすごく残っている人が恋をして……っていう、そこもはっきりわかりやすく描かれているわけではないんですけど、スタートは子供というところをすごく大切にしていらっしゃるのはわかりました。だから、初めての場所に行ってきょどきょどしたり」
松本さんは、行動や姿勢でも役の感情や成長をにじませました。その一つが歩き方。中川監督が「景色が主人公です」というだけあって、松本さんいわく「引いてる画がすごく多かった」。それだけに、歩き方を「意識していました」。
「ある人と別れる場面もスタスタ歩いていくんですけど、私の中では振り返ったり、ジメッとした別れはなんか違うなと思っていたので、スタスタ歩きましたし、喪服を着て歩いていくシーンも、背筋を伸ばしてシャンとして、っていうのがキーワードとしてあるので、それを意識して。そのときの気分だったりを出して、ちょっとはずんでたりもしてますね」
口数が少ない澪だから、「言葉以外を意識していたと思います。でも、小細工はしたくないので、感じたことを感じたままに」表現した。
