【鳩居堂—KYUKYODO—】
“香り”のたしなみ
1.花の文香 あさがお、2.花の文香ひまわり、3.花の文香 つばき、4.花ふみか うめ、5.花の文香 ゆり、6.花ふみか こすもす、7.花ふみかあじさい、8.花ふみか あさがお、9.花の文香 なでしこ、10.花ふみか すいせん、11.花ふみか 赤もみじ、12.花ふみか 都わすれ、13.花ふみか 青もみじ、14.花ふみか ききょう、15.花ふみか さくら、16.花ふみか らん。いずれもやさしい和の香りの文香で、直径約4.5センチの「花の文香」は300円(1枚入り)、直径約3.5センチの「花ふみか」は500円(3枚入り)。平安時代の香りを文香として現代に伝える
「鳩居堂」の創業家である熊谷家の歴史は古く、平安時代から鎌倉時代へと移行する治承四(1180)年、先祖の熊谷直実が、軍功により、源頼朝から「向かい鳩」の家紋を賜ったという史実にまで遡ることができます。
江戸時代初期の寛文3(1663)年、直実から数えて20代目にあたる熊谷直心が京都寺町で薬種商を始め、鳩居堂の歴史がスタートします。
右上から時計回りに、にほひ袋 金襴600円、筆 三吉野1400円、万年毛筆 夢銀河2万5000円、便箋・封筒 清光各600円、シルク刷はがき(万両)80円、一筆箋 鳩たより180円、花の文香(うめ)300円、花ふみか(都わすれ)500円、塗文庫(便箋サイズ)1800円。薬の原料が“香”に共通することから薫香線香の製造を始めるとともに、原料の輸入先である中国から書画用の文具を仕入れ、販売を開始。
やがて中国製をしのぐ質の文具製造が始まり、江戸時代後期にはすでに、現代の店にも繫がる姿に整ったとされています。
さらに時代は下り、8代目にあたる直行が、明治10(1877)年、太政大臣の三条実美より、900年間伝承されてきた「宮中御用の合わせ香」の秘方をすべて親授され、“香りの鳩居堂”へと発展。
奥は手摺りの絵柄が可愛らしい、マッチ箱サイズの小箱に香り付きの短冊が3枚入った、「かをり」紙各450円。手前は千代紙柄の香りのシート「紙の香」各400円。しおりにしたり、名刺入れに忍ばせたりして、香りを移して楽しむ。平安時代に生まれた日本の歴史ある香りは、鳩居堂で一子相伝として受け継がれ、たとえばさまざまな香料を練り合わせて丸薬状にした煉ねり香こうも、現代に正しく伝えられています。
可愛らしいデザインの文香は、この歴史に連なる日本ならではの文房具なのです。
明治10(1877)年、太政大臣三条実美(さねとみ)が、宮中御用として伝わる900年の名香の秘方すべてを鳩居堂に親授。現在も門外不出とされる。東京鳩居堂外観。明治13(1880)年、遷都に伴い東京に出張所を開設。1982年頃、現在の建物に。お香や書画の道具が並ぶ店内。東京鳩居堂 銀座本店
住所:東京都中央区銀座5-7-4
TEL:03(3571)4429
営業時間:10時~19時(日曜・祝日は11時~19時)
定休日:年始(他、臨時休業)