【リビング】
この日だけの特別なスペースをつくる
家具の配置を変えたり、いつもとは違う場所にも花やグリーン、オブジェを飾ったり。空間演出の巧みな工夫は、わが家の新たなおもてなしスタイルの発見につながり、招く日の喜びとなります。
建築家であるご主人、小松原芳彦さんの海外経験を生かして設計された小松原邸。両開きのドアから入った瞬間、ゲストはここが日本であることを忘れてしまうでしょう。
「外国人のお客さまをお招きしても、心地よく過ごしていただける家にしたかった」と小松原さん。
広々とした間取りはもちろん、キッチンなどの設備、そして、たとえばドアならノブや蝶番、鍵などのディテールにいたるまで目を配り、調和の取れた上質な家づくりを目指しました。
床以外は一見すべて白ですが、壁面とモールディング、幅木など、微妙に色合いや質感の異なる白を使い、自然な奥行き感のある空間に。
50人ほどのゲストを招くことを想定していますが、「インテリアに合わせた食器、絵などをじっくり選んでいる段階です」と奥さま。
今回は一邸まるごと、横瀬さんと山下さんにおもてなしのデコレーションを、提案していただきました。
パーティション60万円(展示品。生地を選んでオーダーする場合は約80万円~。オーダー後、納品まで約1.5か月)/トミタパーティションでスペシャルなコーナーづくり
集いを締めるティータイムは、パーティションでスペシャルなコーナーを特設するのも一興です。
パーティションをテーブルの後ろに置き、背景を与えるだけで、広いリビングの中に、緩やかに仕切られた空間が生まれます。
サリータッセルとコラボレーションしたインテリア茶箱9万4000円(展示品参考価格。生地と箱サイズを相談しオーダー後、納品まで約3か月)/茶箱サロン シェ・ミキ極めつきは茶葉と茶器を収めた美しい茶箱、ふたを開けた瞬間に歓声があがります。
トリビュ レジスタ イージーチェア各28万8000円/ニチエス窓を開け放ち、外を感じるテラスもおもてなしの空間に
リビングから続くテラスにも、アウトドア仕様で美しく座り心地のよいチェアとランタンの灯りを用意して優雅なくつろぎ空間を。
気分転換に風を感じたいとき、開放感のある居場所をつくることも、パーティ成功の秘訣。
C&C スロー/トミタスタンド付きトレイ、キャンドルホルダー/ともにアトリエ ジュンコ一人一人のために、さりげない温もりの心遣い
肌寒い季節にはチェアの上に、小ぶりで上質なスローを一人に1枚ずつ用意を。誰もが遠慮なく手を伸ばせるように。
チェス盤5万8000円/リビング・モティーフ スロー、クッション/ブルネロ クチネリ ジャパン会話の糸口になるような、目を引くアイテムは必需品
石から削り出したデザイン性の高いチェス盤はゲストの目を引くうえ、テーブルのセンターピースにしても素敵。手にとってゲームが始まれば、観戦者も含めて会話が弾むでしょう。
大理石のオブジェ/リビング・モティーフローテーブルには見下ろしたときに美しい水盤を
カールさせて水に沈めたトケイソウのつると、純白のカトレアの花を組み合わせて、ガラスの水盤に。
ローテーブルに置くことを想定し、上からみて絵になるゴージャスな花を選び、軽快なグリーンをまとわせた好例。大皿でも代用できます。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/齋藤幹朗 本誌・大見謝星斗 スタイリング/横瀬多美保 フラワーアレンジメント/山下郁子〈TSUBAKI〉 取材・文/安藤菜穂子
『家庭画報』2019年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。