大評定と深川会議。息詰まるシーンでのキーパーソン・源五
内蔵助は、源五とある約束を交わします。源五にとっては、約束を果たしてもらうことがとにかく重要。ただ、それを抜きにしても、クランクインから3日間をかけて撮影されたという大評定のシーンでの源五は「勇気があった」と濱田さん。源五がそうだったように、演じる濱田さんにも「勇気が必要でした」。というのも、赤穂藩の行く末を話し合った大評定には、メインキャストがほぼ顔を揃え、エキストラも含めれば90人もの出演者が大集合。そこで源五は、忠義や名誉、自己犠牲などどこ吹く風、別の側面から意見を述べるのです。
「大先輩方がいらっしゃるところで意見するって……っていう俳優としての緊張もありましたし、源五は何を考えてんだ!?って思うこともありました。でも、討ち入りとか切腹とか、そういったことに関して一番リアルに考えていたのが源五なんだと思います」
大評定の撮影から約1か月半後。今度は、クランクアップまでの3日間で深川会議が撮られました。討ち入りの段取りと作戦を共有する深川会議の終盤に源五はやってきて、ある一言を告げるのですが、「決して源五の覚悟は決まってないんですよね。ただ、言った一言で、よりみんながノッちゃった。壮絶なものがあったんだろうなとわかる空気の中に入っていって格好つける感じは、源五らしくトンチンカンな方向にするのが礼儀だと思ってやった結果なんですけど、ちょっとおかしなことになりました(笑)」。
深川会議は、現場に緊張感がみなぎっていたそうで、「僕は最後のほうにちょっと出るだけだったので、申し訳ない気持ちになりました」