母のタンス、娘のセンス

女優・一色采子の 「母のタンス、娘のセンス」〜霜月徒然便り VOL.1

2019.11.21

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芸術イベントの司会は艶めく訪問着で


街路樹の彩りも日増しに鮮やかになり、秋深まる頃。毎年恒例の芸術イベントの司会を仰せつかりました。今年は、帯を主役に装いたかったため、裾から柔らかな金彩の市松模様が浮かび上がる、上品な訪問着を選びました。


主役の帯は、ご覧のとおり。黒地に金の流水と色鮮やかな松竹梅の扇を織りだした、遠目からでも惹きつけられる袋帯です。帯締めは、白ですっきり。「白秋」という言葉にちなんだ、秋の装いの定番となるマイ・ルールです。



格調高い松が主役となる前帯に対して、お太鼓の扇面文の竹が瑞々しい印象を放ちます。


上品な訪問着姿のコンパニオンの方々が、会場に華を添えてくださいました。

五大陸着物コレクションでの晴れ姿



リユースのきもので知られる「たんす屋」さんが開催している「五大陸着物コレクション」のイベント。1年間にわたってアンバサダーを務める私も、9月に引き続き2度目の晴れ姿で登場。今回は、胸元が赤と黒の片身替わりに染め分けられたシックな一枚を装いました。格調高い帯合わせに、凛として清らかな水色の帯締めを効かせることが、私らしい大人振袖の秘訣です。


舞台では、皆さん個性的な振袖姿を披露してくださいました。

次回は、二本松の美術館でのコーディネート七変化をお届けします。Vol.2を読む>>

一色采子/Saiko Isshiki


日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。



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構成/樺澤貴子
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