日本における一人芝居の第一人者といわれるイッセー尾形さん。2012年に独立したことを機に、ますます活動の幅を広げている。現在の漫画業界の礎を築いた、日本初の漫画家・北沢楽天
日本が海外に誇るコンテンツの一つ、漫画。今ではごく普通に使われている「漫画」という言葉を、コミックを指す言葉として初めて使ったのは、日本初の漫画家・北沢楽天でした。印税契約、定期連載を初めて行ったともされ、「日本の近代漫画の祖」といわれる楽天。手塚治虫や長谷川町子に影響を与えた人物でもあります。そんな楽天の知られざる生涯を映し出す映画『漫画誕生』。明治・大正・昭和と移りゆく激動の時代の中、漫画を描き続けた楽天を演じるのは、イッセー尾形さんです。
本作に触れるまで楽天を知らなかったというイッセーさん。演じるにあたっては、台本と写真と楽天が描いた絵などの資料を見るにとどめ、楽天についてそれほど深くは調べなかったといいます。「あんまり調べると、がんじがらめになっちゃうから、それが嫌で。ま、単なる怠け者なんですけれども(笑)」と笑うイッセーさんですが、そこには「ゆるいほうが現場でいろいろ作っていける余地があるから」ということのほかにも理由があるようです。