——演じる際に、心がけていたことはありますか?
佐久間:台本を読んでいるときは、果たして応援してもらえるようなキャラクターになるのかなという不安と、そうしなきゃいけないっていう気持ちがどこかにあって。現場に入ってからは、そういったことはあまり考えなかったんですけど、(心がけていたのは)ちゃんと振り切ることと、リアリティと……。家にいる素のときは、「まだ振り切れてない」って、ずっと(三木康一郎)監督から言われていたので、とにかく振り切ってがむしゃらにやるっていうことしかなかったですね。
村上:でも、楽しんでたよね。
佐久間:楽しかった(笑)。
村上:楽しんでやってるな、この人と思って(笑)。コジは、一瞬男性としての言葉をひろみたちに投げかけるんですけど、バイセクシュアルなので、男性に恋をすることもあれば女性に恋をしたこともある。だから、どっちの面でも説得力がありますってことかな、と。でも、彼のアイデンティティとしては、僕の中ではほぼゲイなんですよ。しかも、後天的なゲイだと思っていて。自分の中にはそういう思いがいろいろあったので、監督と一緒に作り上げていった感じもありますし、ゲイの友人と一緒に4〜5人くらいでドン・キホーテに行って下着を……。
佐久間:4〜5人で買ったの!? すごいね(笑)。
村上:ゲイは1人か2人かな。この役作りに関係なく、数年前に友達とプールに遊びに行ったときにゲイの子がいたんですけど、パンツの柄がすごかったんですよね。それを思い出したりして。僕なんか普段、黒しかはかないですけどね(笑)。仕事柄もあるんですけど。
——佐久間さんがひろみを演じる際のタイミングやニュアンスは、三木監督が出会った女性たちの観察記録が生かされた、と。
佐久間:ノートみたいなものはないと思うんですけど(笑)。
村上:あったら怖いな(笑)。
佐久間:監督自身、女子力が高くて、私なんかよりも全然女心がわかっているんですよね。それがこの映画にとってすごく大きかったのかなと思います。
村上:じゃなきゃ、(この映画を)撮れないよね。
三木監督いわく、「厳しく、嫌になるくらいやらせた」という佐久間さんへの演出の結果は映画で確認を。振り切れっぷりが見事です。