(3)即席昆布じめ
お造りに、おぼろ昆布をまぶすだけ
久保:昆布じめを作ったことはありますか?
加藤:ないですね。
久保:一般的な昆布じめは、昆布ではさんで寝かせるので、出来上がるのに時間がかかるのです。これからご紹介するやり方だと、簡単に昆布じめ風の味が楽しめます。
買ってきたお造りに軽く塩を振って、1、2時間置くんです。そして、おぼろ昆布を粉にしたものを……。
加藤:おぼろ昆布?
久保:これです(と、パッケージを見せる)。とろろ昆布でもいいですよ。おぼろ昆布ととろろ昆布は同じ材料なので。
ただ、このまま使うのではなくて、オーブンで低温乾燥させたものをざるで漉して粉状にして、お造りにまぶします。
慣れた手つきでスピーディーに
久保:では、加藤さん、一枚ずつやっていってください。わぁ、手つきに危うさがなくて、素敵です。フライもされるから、こういう作業に慣れているんですね。
加藤:(黙々と作業)
久保:素晴らしい! あっという間にできましたね。では、しばらく寝かせたら完成です。
オイルをかければ新たな一品に
久保:昆布じめが残ってしまったら、オリーブオイルをかけて、レモンを添えて……。
加藤:カルパッチョになりますね。
久保:そう、そうなんです! 白ワインに合うメニューになります。こんな風にひと工夫して、お正月料理を楽しんでいただけたらと思います。
●即席昆布じめ
【材料(2~3人分)】・白身魚(市販のお造り) 150グラム
・おぼろ昆布(またはとろろ昆布) 10グラム
・塩 適量
【作り方】(1) 白身魚に軽く塩を振り、冷蔵庫に1~2時間入れる。
(2) おぼろ昆布はなるべく薄く広げ、低温(60~80度)のオーブンでパリパリになるまで30分ほど乾燥焼きにする。
(3) (2)をざるでこして粉状にする。
(4) (1)の水気をおさえ、(3)をまぶす。
■アレンジメニュー~即席昆布じめはオリーブオイルとレモンでカルパッチョ風に
オリーブオイルをかけ、レモンとハーブ、胡椒やチリペッパーなどを添えるとカルパッチョ風のひと品に。白ワインにも合う酒の肴に変身します。