発信するだけでも、受け取るだけでもない
音楽は社会に対話をもたらす
いま、人と人、人とコミュニティをつなぐのは音楽かもしれません。音楽は聴くだけでなく、感動を伝え合い、新たな対話のきっかけになるもの。参加する聴衆も新しい音楽体験ができる、二つの画期的な取り組みをご紹介しましょう。
フォーラムやワークショップなどで音楽の社会への関わり方を模索
一般社団法人「音楽がヒラク未来」
代表理事/仲道郁代(ピアニスト)「クラシック音楽は人々がさまざまな垣根を超えて共有できる財産である」というピアニストの仲道郁代さん。
演奏家として伝えたい世界を探究するなかで、音楽の感動を伝え合う場として、ワークショップやアウトリーチ(福祉活動)などを実施。一人一人が自分なりに音楽を受けとめ、語り合えるプログラムを実践・研究してきたそうです。
さらにその場を生かして組織やコミュニティを結び、より広く伝える事業へ発展させたのが「音楽がヒラク未来」。
音楽を社会へとひらいていくため、音楽ホールと連携して行うフォーラムや、音楽人育成の講座、被災地(宮城県七ヶ浜町の小学校)でのアウトリーチのほか、音楽の価値を問い直すような実験的な音楽会なども企画。
音楽は社会のために何ができるか──仲道さんが長年模索してきた命題は分野を超えて広がっていきます。
たとえば、短い曲を聴いたイメージを1から5までの数字に当てはめ、「なぜその数字を選んだのか」をシェアするというワークでは全員が違う意見に。対話を通して、音の受け取り方は多様だと知り、聴衆どうしの感性も開かれます。一般社団法人音楽がヒラク未来http://www.fb.com/ongaku.hirakumirai