【作り方】
1:上白糖はふるっておく。上用粉は冷蔵庫で冷やしておく。小豆こしあんは1個25gに分けて丸めておき、生地で包む前に冷蔵庫から出し、常温に置く。色粉は少量の水で溶いておく。2段の蒸し器の上段に、水で濡らして固く絞ったさらし布巾、5cm四方に切ったわら半紙を敷いておき、下段には水を入れて火にかけ、タイミングよく蒸気が上がるようにしておく。霧吹きを用意し、酢(分量外)を少量加えた水を入れておく。
2:大和芋の皮をむき、目の細かいおろし金で円を描くようにボウルにすりおろす。
3:2をすりこぎで軽くすり混ぜてから、上白糖を4~5回に分けて入れ、そのつどよくすり混ぜる。
4:3を最低でも2~3時間、時間があれば一晩冷蔵庫で休ませる。休ませた芋種をすり鉢に入れ、もう一度すり混ぜる。すり鉢ですることで生地がなめらかになる。
5:大きめのボウルに冷やしておいた上用粉を入れ、粉の上に4の芋種を移す。
6:芋種の端を持って、外側から内側に折りたたみながら粉を混ぜ込んでいく。
7:生地にマシュマロのような弾力があり、ちぎるとスポッと音がするくらいまで粉を混ぜ込む(状態が7のようになったら、粉が残っていても、それ以上混ぜ込まないようにする。残った粉は手粉として使う)。
8:残った粉ごとバットに移して生地を半分に分ける。
9:生地をいためないようにしながら1個13gに計量し、20個に分ける。何度もちぎると生地がいたむので、大きさの見当をつけて、手早く量る。
10:分けた生地を左手にのせて丸く押し広げ、上面の粉をはけで払う。
11:あんをのせて指先であんをおさえる。生地を回しながら包んでいく。
12:あんが隠れるくらいまで包めたら、生地の口をすぼめるように包み、指先でつまんでしっかりと口を閉じる。
13:同様にすべて包んで、余分な粉を払う。
14:蒸し器の中のわら半紙に、霧吹きでたっぷりの霧を吹く。
15:卵形に形を整え、余計な粉を払った13を並べる。
16:全体に霧を吹き、強火で10分蒸す。蒸し器のふたは露取り布巾で包む。酢を少量加えた霧を吹くと饅頭が割れにくくなる。
17:蒸し上がったら、ひと呼吸おいてから指先を水で軽く濡らし、饅頭をつぶさないように1個ずつわら半紙をはがして蒸し器から取り出す。ケーキクーラーなどに移して冷ます。
18:饅頭の粗熱が取れたら焼き印で耳をつける。薯蕷饅頭の皮は手につきやすいので焼き印を押すときは、和菓子用のケースに入れてから押すと扱いやすい。
19:溶いた紅色粉を、竹串の細いほうに少量つけてうさぎの目を描く。
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宇佐美桂子・高根幸子(著)
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