【作り方】
1:卵をポシェする。鍋に分量の水と粗塩を入れて沸かす。鍋は、径は広くなくていいので、卵が十分に沈む深さのあるものを使う。
2:鍋の湯がポコポコと優しく沸いてきたら酢を入れる。酢は最初に入れてしまうととんでしまって効果がなくなるので卵を入れる直前に。
3:卵は1個ずつ小さなボウルに割り入れておく。
4:ボウルをできるだけ湯に近づけて、手前にひっくり返すようなイメージで卵を入れる。湯の深さがあると、卵がくるっと回ってくれる。卵は一度にすべて入れようとせず、鍋に合う量を入れること。
5:表面にもやもやと浮いてくる白身を寄せたくなるが、それは卵を固めるのに余分な白身なので、そのままいじらず、好みで1分~2、3分、火を通す。
6:穴あきのレードルで1個ずつ引き上げて冷水にとる。
7:ペティナイフで卵の表面の余分な白身を削り取って、つるんとした形に整えたら、崩れないよう、布巾の上にのせておく。
8:ソースを作る。鍋を中火にかけ、バターを分量の30g分入れる。溶けたらマッシュルームを入れ、バターを吸わせるように全体に絡ませ、ひとつまみの塩を振る。マッシュルームとバターがうっすらと色づいてきたら、マッシュルームを取り出す。
9:8の鍋にベーコンを入れ、バターを焦がさないよう注意しながら炒める。ベーコンから脂が出始めたら、にんにくとエシャロットを入れ、ひとつまみの塩をして全体を絡めるように炒める。
10:にんにくとエシャロットが炒まり、香りが出てきたら、赤ワインを注いで煮詰める。クラシックなレシピでは最初に小麦粉を入れて炒めるが、そうするとソースの色もくすみ、ワインが煮詰まる前に濃度がつき酸味がとばないので、ここでは使わず、しっかりワインを煮詰めることで心地よい酸味を残す。
11:ワインが1/8量くらいまで煮詰まったらマッシュルームを戻し入れ、残りのバターを冷たい状態でちぎりながら加え、ホイッパーでモンテ(分離しないよう手早く溶かし込む)する。
12:適度なとろみと甘みがついたら、塩と胡椒で味を調え、ソースの完成。
13:クルトンをつくる。食パンは耳を落として1枚を2等分にする。フライパンに澄ましバターを多めに入れて火にかけ、食パンをゆっくりと揚げ焼きにする。最後に火を強めるとパンの中に溜まった油の流動性が上がり、油切れがよい。
14:盛り付ける。皿に軽く温め直した卵のポシェを置き、12のソースをかける。パセリを振り、クルトンを添える。
代々著名なシェフを輩出してきた老舗フレンチ「銀座レカン」6代目のシェフ高良康之氏(現在は銀座「レストラン ラフィナージュ」オーナーシェフ)はSNSでも大人気。本書はそんな高良シェフによる「基本のフレンチ」のレシピブックです。素材も身近なシンプルなものを用いながら、伝統に培われたフレンチの基礎をひと皿ひと皿、丁寧に作り、味付けのコツやテクニックの極意を語ります。工程写真も多数。誌上スーパーシェフレッスンという一冊でまさに保存版。
高良康之(著)
定価:本体1,800円+税
撮影/櫻井めぐみ