第九師団司令部庁舎の外観。美術工芸作品が展示される第九師団司令部庁舎
第九師団司令部庁舎は、明治31(1898)年に金沢城二の丸跡地に建設され、昭和24(1949)年から金沢大学の施設として利用、さらに昭和43(1968)年に県立能楽堂横の敷地に移築し、今回、再度の移築となります。
実は最初の移築の際に、移築先の敷地に合わせて建物の両サイドは撤去。今回の移築では、撤去されてしまった両サイド部分を復原し、鉄筋コンクリート造りで整備されています。
欅造りの重厚な階段。ツアーでは、第九師団司令部庁舎と金沢偕行社、両方の建物をつなぐエントランスから入場し、まずは、第九師団司令部庁舎へと足を運びます。明治31(1898)年の建設当時の欅の階段なども見ごたえがあります。
展示室。美術工芸作品が展示されるのが待ち遠しい。ガラス張りのドアを抜けると展示室があります。展示室は、今回復元された部分にあたり、鉄筋コンクリート造り。貴重な美術工芸作品をしっかり管理・展示できるように耐火・耐震機能や温湿度管理機能を備えているそうです。
窓からの採光が意匠の美しさを際立たせる。第九師団司令部庁舎の2階中央に配置された旧師団長室。注目したいのが、建物の解体にあたって、建設当時の外観の色がわかったため、復原に合わせて建設当時の姿を再現したことです。移築前は、薄桃色だった窓枠などは焦げ茶色に、クリーム色であった外壁は白色に変えています。以前の外観写真は、最後のページのフォトギャラリーで見られます。