金沢偕行社の外観。緑と白の外観が印象的な金沢偕行社
今回の見学ツアーでは、中央のガラス張りの渡り廊下を通って次は、金沢偕行社へ。渡り廊下は、常時通行できるわけではないそうで、今回は見学ツアーということで特別に通らせてもらいました。金沢偕行社とは、全国でも数少ない明治期に建てられた旧陸軍の施設で、陸軍将校の社交場でした。
ガラス張りの渡り廊下。金沢偕行社は、明治42(1909)年に石川県立能楽堂の横の敷地に建築され、昭和45(1970)年に敷地内で曳家を行う際に、建物後方の講堂を撤去されています。
明治期の建設当時の色を再現した窓枠。建物の外観の色は、第九師団司令部庁舎と同様に、建築当時の姿を再現しており、移築前は灰色だった窓枠を緑色に復原しています。
金沢偕行社の多目的スペース。内装は、格子天井や段差が設けられた漆喰の壁などやや装飾的。講演会や体験イベントなどに活用できる多目的スペースが配置されています。
旧弘前偕行社のシャンデリアを参考に復元。VR映像による重要無形文化財保持者(人間国宝)などの移転作品の紹介もされ、ツアーは終了。
日本の美術工芸作品の粋がこの地で観られると思うと想像するだけでワクワクします。2020年夏の開館が待ち遠しいです。
東京国立近代美術館
石川県金沢市出羽町3-2
電話 03(5777)8600 ※2020年開館までのお問い合わせはこちらへ。
直江磨美/Mami Naoe
フリー編集者&ライター
金沢市生まれ。大学卒業後、出版社の婦人雑誌編集部に勤める。2008年に金沢にUターンし、フリー編集者・ライターとして活動する。
撮影/吉尾大輔(建物内観)