霊峰を裾野まで見渡す天空に近い屋上露天風呂
最上階にある水深90センチの露天風呂「富士山」。地上35㍍からの唯一無二の絶景がここにある。部屋付きの半露天で富士と過ごす一日
別墅然然―山梨・富士吉田市
富士山の麓で約60年の歴史を有する「ホテル鐘山苑(かねやまえん)」。広い庭園で知られるその宿の特別フロア――4階と5階を占めるのが「別墅然然(べっしょささ)」です。
「福地A」のデッキテラスの半露天風呂からは、季節や天候で刻々と表情を変える霊峰富士が一望のもとに。17室ある客室のすべてにダイニングと専用の半露天風呂が設置され、滞在中は玲瓏(れいろう)たる富士山を眺めながらの気ままな湯浴みが堪能できます。
肌を包み込むような高アルカリ性の湯にゆっくりと浸かった後は、バスローブをまとい、火照った体をテラスのチェアに預けてひと休み。
和室を中心に寝室とダイニングを備えた部屋「福地A」(85平方メートル)。また、夕刻や朝方には部屋を出て、最上階の露天風呂を訪れてみるのもおすすめです。なぜなら3段に連なるその湯船からは、人工物が一切見えない裾野までの霊峰が満喫できるため。
「別墅然然」の宿泊者は専用ラウンジのほか、ホテル鐘山苑内にある利用者限定のクラブラウンジの使用も可能。その後は4階の専用ラウンジに場を移し、地元甲州ぶどうを用いたスパークリングワインを楽しむのもよいでしょう。
地場の旬の“旨しもの”をふんだんに使った6点盛りの前菜は、目にも鮮やか。豊かな味わいの甲州ワイン「ルバイヤート」とも好相性。辺りが宵闇に包まれる頃、部屋での夕餉が始まります。沼津の漁港から直送された旬の魚介類や季節の野菜、そして地場の果物を使用した心尽くしの料理は、五感で味わえるおいしさです。
古語の「然(さ)は然(さ)り乍ら」を由来とする「別墅然然」。2フロアだけの特別な宿でありながら、ホテルの開放感をも併せ持つ至福の絶景旅館です。
●別墅然然(べっしょささ)
山梨県富士吉田市上吉田東9-1-18 ホテル鐘山苑(かねやまえん)内
TEL:0555(30)0033
1室2名利用時、1泊2食付き1名3万9000円~。ご紹介した「福地A」は同5万3000円~。(税別・サービス料込み)
IN14時~18時/OUT11時
富士山を額縁に収めたような、贅沢な眺めが楽しめる「ロイヤルスイート」。リビングと寝室どちらにも大窓があるため、朝晩と変化する富士山の様子を望むことができる。