3.食堂おがわ
「食堂おがわ」の「山椒ちりめん」(左)と「柚子山椒」。人気店の料理に欠かせない、手づくり調味料とご飯のお供
一年を通して人気で予約が取りにくく、なかなか行くチャンスのない料理店「食堂おがわ」ですが、お店の営業中は「ちりめん山椒」や「柚子胡椒」を店頭で販売しています。お店で使っている自家製のものばかりで、包装紙の木版はご主人・小川真太郎さんによるものです。
辛みがしっかり、爽やかな後味の柚子胡椒
「柚子胡椒」は赤唐辛子と青唐辛子で作った2種類があります。どちらもみずみずしく、色鮮やか。添加物はいっさい使っておらず、唐辛子は辛みと香りの強い韓国産を使用しています。ビリッと辛いのですが、市販のものより柚子を大量に使っているのでそのぶん柑橘の香りが感じられる爽やかな柚子胡椒です。
柚子の皮をたっぷり使った「柚子胡椒」各1000円(税込み)。お持ち帰りの後は、冷凍保存することで鮮やかな色が保たれる。チャーハンに使うのが「おがわ」流の山椒ちりめん
「山椒ちりめん」は今や料理屋さんの持ち帰りの定番ですが、こちらは山椒の辛みをピシッと決めたしっとり系。小さなじゃこを使ってしっかりとうまみを出し、実山椒の青々とした色と辛さのコントラストが特徴です。酒とみりんと醤油だけで味をつけているのでご飯はもちろん、お酒のお供にもなります。お店ではチャーハンにも山椒ちりめんを使っていて、真似したくなるおいしさです。
実山椒のしびれる辛みをきかせた「山椒ちりめん」1箱1000円(税込み)。「食堂おがわ」の入り口。三軒三様の味土産は、いずれも料理屋さんの味が家庭で気軽に楽しめるのが魅力です。自宅の常備菜として、気軽な京都土産として、希少価値のある贈答品として……、いろいろなシーンで重宝しそうです。
食堂おがわ
京都府京都市下京区西木屋町通四条下る船頭町204
電話 075-351-6833(ご主人がお一人で営業しており電話がつながりづらいため、直接の来店がおすすめ)
営業時間 17時~22時(LO)
定休日 水曜(年末年始休みあり)
西村晶子/Shoko Nishimura
京都の老舗から新店まで、食を取り巻く文化などを独自の目線で取材。20数年、『家庭画報』の京都企画を担当し、さまざまな記事を執筆。
表示価格はすべて税抜きです。 撮影/内藤貞保