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「白夜祭」の生みの親、芸術総監督ワレリー・ゲルギエフに特別インタビュー

2019.12.25

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サンクトペテルブルクに誕生した新たな“音楽の殿堂”
ゲルギエフが理想を叶えた夢のホールを誌上初公開


レピーノ・ホールの内観

撮影に訪れた日は、まさにチャイコフスキー国際コンクールの審査日で、伴奏者が音合わせを行っていた。正面の窓越しに見える緑が絵画のようで美しい。


サンクトペテルブルクから、バルト海沿いを北西に車で1時間ほど走ると、レピーノという別荘地に辿り着きます。

都心からの程よい距離感や緑豊かな環境が日本の軽井沢にも似たこのエリアに、一昨年、ゲルギエフの私的プロジェクトとして、「レピーノ・ホール」が誕生しました。

日頃、世界トップクラスの演奏家や歌手と活動をともにするマエストロですが、多忙な中でも若い音楽家たちへのサポートは惜しまず、その才能を育み披露させる場所として、このホールの開設を計画したのです。

レピーノ・ホールの向かいの開放的な緑地

ホールの向かいには開放的な緑地が広がっており、世界トップクラスのソリストや指揮者の大きなポートレイトが壁のように立ち並ぶ。

夢のホールを設計したのは、国際的に著名な「永田音響設計」の豊田泰久氏。マリインスキー劇場Ⅲや日本のサントリーホールをはじめ、世界の名だたるホールを手がけた“音響のカリスマ”に、以前より交流のあったゲルギエフ本人が直接オファーの電話をかけたといいます。

その後7年ほどかけて完成した約500人収容、天井高15メートルのホールは、木造のカテドラルのような雰囲気で、音が輝きながら天から降り注いでくるかのような響きが印象的。

「若い音楽家たちに活躍の場を」という当初の思いのとおりに、2019年に開催された若手演奏家の登竜門「第16回チャイコフスキー国際コンクール」木管楽器部門(同年より新設)の審査会場にもなりました。

この先ここから、どれだけの若い才能が世界へ羽ばたいていくのか――。サンクトペテルブルクの新しい音楽の殿堂として、各方面から注目と期待が寄せられています。
「サンクトペテルブルク 美しき『白夜祭』」への旅
ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館 本特集の感動をそのままに体験できる、「サンクトペテルブルク 美しき『白夜祭』」への旅にご一緒しませんか? この度、2020年6月にロシア・サンクトペテルブルクで行われる「白夜祭」に、みなさまをお連れするツアーを開催いたします。 ツアーの詳細はこちらの記事よりご覧ください>>>
撮影/阿部 浩 取材協力/ジャパン・アーツ コーディネーター/Natalia Goryacheva

『家庭画報』2020年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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