1月の季語「寒紅(かんべに)」
寒中の水を「寒の水」という。神秘的な力があるとされ、滋養強壮のために今でも飲んだりする。
似た季語に「寒卵」がある。寒中の卵は栄養が豊富で、かつては特に体によいとされた。
じつは、女性が顔に用いるものにも、寒中には特別なものがあった。「寒紅」である。なかでも、寒中の丑の日に買ったものは、さまざまな薬効があるとされた。
丑紅(うしべに)を皆濃くつけて話しけり
——高浜虚子寒中につくられた口紅は品質がよいとされた。その材料の紅花は染料として珍重された。また、高級な口紅のもととして大切にされた。
高浜虚子のこの句は、ここぞとばかり、その寒紅(丑紅)をたっぷりつけて集った婦人たちの姿が描かれている。
1年で最も寒い時期に、華やかな色彩を選んで句会や大会に続々来たかたがたの弾む気持ちを描いているようで、面白い作品である。
高校生の頃、京都で貝殻に入れて売られていた紅を買った。豪華な寒紅とはおそらく全くの別物だった。しかし、あの色彩はなぜか心をくすぐる。
口紅、頰紅、そしてそのほかのさまざまな赤さは、女性が最も求める華なのではないだろうか。
かい みちこ◎「群青」共同代表。俳人協会理事。最新句集『カムイ』(ふらんす堂)が俳人協会賞、小野市詩歌文学賞を受賞。著書多数。〔今月の逸品〕
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撮影/唐澤光也〈レッド ポイント〉 スタイリング/細田宏美
『家庭画報』2020年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。