デビューから30余年、第一線を走り続ける演歌歌手の藤 あや子さんと坂本冬美さん。プライベートを共に過ごすことも多いお2人は、お友達歴25年以上。互いの半生を知り尽くした家族のように親しい間柄です。そして、そのお2人の共通点は、輝くような美とハードな仕事を支える健やかな心と体。50代の今だからこそ自信を持って語れる美と健康の秘訣を明かします。 上写真:藤さんの好きな色はパープル。この日は特にお気に入りだという箔を置いた扇文様のきものをお召しに。坂本さんのイメージカラーは青。書道家・金田石城氏から贈られたきものの柄は、代表曲にちなみ、桜。
【新春“アンチエイジング”対談】
美と健康の基本は「食」。そして自分を褒めること
「いくつも山を越えて、ここまで来た。50代の女性は自信を持っていいのよ」
ジャケット、パンツ、ジュエリー/藤さん私物朝食は多種類をしっかり。食べたい、と思う直感を大事に
坂本さん(以下敬称略) 私たちが親しくなったのは私が27、8歳の頃でしたね。まず驚いたのは、あや子さんがよく食べること!妖艶で神秘的で“おしゃれなダイエットクッキーをつまんでいます”といったような、ちょっと近寄りがたいイメージがガラガラと音を立てて崩れていきました(笑)。
藤さん(以下敬称略) 料理が得意だった母の影響で、子どもの頃から食べることと料理を作ることが大好きだったの。今も仕事場にスタッフの分まで手作りのお弁当を持っていくくらい。
坂本 当時、間違ったダイエットをしていた私は、あや子さんに、バランスよく食べることが心と体の健康にいかに大切かを叩き込まれました。
藤 ものすごいハードスケジュールなのにひどい食生活をしていたでしょう?1日2回公演の後もスープだけ、サラダだけ、ぶどうパンだけ......。心配で放っておけなくて、「食事は大事よ。きちんと食べなさい」とうるさいくらい助言したし、3日に1度は料理を作って食べてもらってたわね。
坂本 おかげさまで私は料理を覚え、食生活は180度変わりました。今は毎朝、驚くほどの品数を食卓に並べます。サラダ、汁物、煮物、焼き魚、卵料理、そして白米のご飯と納豆......。
藤 よしよし、よくやってる(笑)。私が今、凝っているのはスーパーフード。シリアルにインカナッツ、ブラジルナッツ、ドライフルーツ、マカパウダー、ヘンプパウダー、マヌカハニーなどを入れ、豆乳をかけていただくの。最近は「1日何品目」と難しく考えずに、「あ、これが食べたい」と直感したものを中心に食べるようにしています。体が欲するものが、今の自分に必要な食べ物だと思うから。
藤 あや子さんのQ&A
——美しさを保つ秘訣は?
自分に合った美容法を続けて、「きれいになった」と思い込みます。人は暗示に弱いから。
——苦しいときの乗り越え方は?
悩みながらも、とにかくやり続ける。そのうち「私はこれでいいんだ」と思えてくる。
——オンからオフへの切り替え法は?
仕事が終わって家に帰り、にゃんこちゃんを抱きしめた瞬間、すべてから解放される......。