生きている状態でまるごとしめ縄をかけ、蒸し上げた「活蟹のしめ縄蒸し」。かにのうまみがぎゅっと凝縮される。山本長左(ちょうざ)作の九谷焼の器に盛って。地の美味を堪能し、温泉で癒やされる……。
旅館スタイルのステイ先でほっこりくつろぐのも、冬の日本を旅する幸せの一つです。
厳しい冬だからこそいただけるご当地美味の筆頭といえば、やはり北陸のずわいがに。「界 加賀」の「極み タグ付き 活ずわい蟹尽くし会席」で、思う存分味わい尽くしてみてはいかがでしょうか。
主役は新鮮なタグ付きのブランドがに。ほとんどの場合、石川県内の近隣の漁港で揚がった“加能がに”がお目見えします。
コースは、ぷっくりとしたかにの脚と香箱がに・寒ぶりのお刺し身から始まり、焼き物、揚げ物、お浸し、すき鍋と、かに料理オールスターが勢揃い。ときに甘く、ときにジューシー、ときに香ばしく。多彩なおいしさに、旬の活けがにの底力を感じます。
「活ずわい蟹尽くし会席」の始まりは「刺し身」から。新鮮なまま氷水に浸して、身を一筋一筋立てたかに脚とはさみ、火を通した香箱がに、脂ののった寒ぶりと食べ応えのある逸品。仏手柑を模した器は、地元作家にオーダーしたオリジナル。なかでも「活蟹のしめ縄蒸し」は、「界加賀」でしかいただけないスペシャリテ中のスペシャリテ。海水に浸したしめ縄を活けがにに巻き、蒸し上げるという手法は、江戸時代の文献を紐解いて見つけたものだとか。ほのかに潮の香りをまとったかにの身は、ふっくら、しっとりとした至福の味わいです。
お客さまの目の前で焼かれる「焼き蟹」。甲羅に入れたかにみそを炭火で焼き、焼いた身とあえても美味。昆布をメインにしたさっぱり味のだしでいただく「すき鍋」。最後の締めは雑炊で。もちろん、地元の辛口の日本酒との相性も抜群。全品通して一ぱい半のかにがいただける贅沢なコースに、毎冬、リピーターが多いというのもうなずけます。